終末

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終末

終わりの瞬間 ゆっくりと静かに訪れた時 一人… また一人と私の周りから人が消えていく 消える瞬間 皆は涙も流さずに この世界に「後悔」なんてないかのよう きっと「幸せ」な時間を過ごしてきて 愛する人と一緒にいられたから 「後悔」なんてないのだろう 「終わりの瞬間」は私のすぐ後ろまで迫っている それなのに私は 「愛する人」も「幸せ」も知らずに終わっていく… 「何故?」「どうして?」 グルグルと回る思考と心 求めた物は手に入らなかった 願ったのは… 普通に穏やかな人生 愛する人がいて 愛してくれる人がいて ただ… ただそれだけだった 今さらもう間に合わない 何一つ満たされる事なく ただ苦しみだけが残ってしまっている 「終末」の瞬間は待ってはくれない 残された時間は短い 最後の瞬間までに私が想う事 自分の人生を呪い 産まれてきた事を呪い そして… 「愛」が欲しかったと涙を流しながら叫び続ける 誰にも言えずにいた あの人への想いを 最後の瞬間に 誰もいなくなった世界で初めて 心の中の想いを 「永遠に愛し続ける」と 消える瞬間まで 愛し叫び続ける どんなに苦しくても どんなに哀しくても この「愛」を「後悔」にしたくないから…
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