215人が本棚に入れています
本棚に追加
「~~~ンッ……、んンッ、はぁっ」
またも絶頂に達してしまった悦さを堪え、右手で顔を庇い下半身を震わせる対馬。
急激に登り詰め達した感覚はあったものの、射精はしていなかった。
「先輩、もう射精てないじゃん…。そっか、3回目だもんね。さすがに…。
ってか先輩、マジで感度良すぎじゃないすか…… 」
「う、るさい…黙れ、……っ」
「こんなすぐすぐイッちゃうとか。…しかも、ココで?まじでエロすぎでしょ…。
スケベ先輩。」
「~~~…っ……」
好きでこんなことになってるわけじゃないのに、と言いたいが説明も出来ない。なので反論もできない。
今回の自分の企みを暴かれる方がよっぽど、屈辱的で。
ああ、なんでどうしてこんなことに。
(タイムマシン、あるなら迎えに来てくれよ…もし戻れるなら…3日前の喜田との闇取引が行われる前のバーに、いや、2日前の榎本を『甘いもの食べたいからスイーツ買って俺の部屋に持ってこい』と苦しめな口実で誘ったあの退社前、いや……ちがう。
いまベストのタイミングまで戻るならばついさっきティーカップに知らずと降り注いてましまったあのこなぁぁーーゆきぃぃーーねぇえーーーのあの瞬間まで)
「先輩?」
「ーーはっ!!!」
3度目の賢者タイムから呼び戻された。
真上から見下ろす榎本はとても不機嫌そうに口を尖らす。
「ちょっとまた、違うこと考えてた?なんでそんな心ここにあらずなんですか。
3回もイッちゃったらもう…俺には用ないってこと?」
「そんな、こと…そんなんじゃ…っ…えっと…」
「じゃあ何考えてたのか教えてくださいよ」
「ーー何も無いっ!バカ榎本っ変なことばっか考えなくていいから…、」
変なことばかり考えていたのは自分だが。
「……から?」
「~~~~っ…お、俺のことはもういいから、お前のっ……榎本の、その、したいこと…。
す、好きなようにしろよ……」
「……………」
言ってすぐに赤面し、目を逸らしたまま榎本の返事を待つ。
それは、気持ちばかりの贖罪。
よこしまで卑猥な考えだった自分が少しでも許されるための禊ぎ……のつもり。
最初のコメントを投稿しよう!