▽ 9.クスリなんてなくても…♡

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「~~~ンッ……、んンッ、はぁっ」 またも絶頂に達してしまった悦さを堪え、右手で顔を庇い下半身を震わせる対馬。 急激に登り詰め達した感覚はあったものの、射精はしていなかった。 「先輩、もう射精()てないじゃん…。そっか、3回目だもんね。さすがに…。 ってか先輩、マジで感度良すぎじゃないすか…… 」 「う、るさい…黙れ、……っ」 「こんなすぐすぐイッちゃうとか。…しかも、で?まじでエロすぎでしょ…。 スケベ先輩。」 「~~~…っ……」 好きでこんなことになってるわけじゃないのに、と言いたいが説明も出来ない。なので反論もできない。 今回の自分の企みを暴かれる方がよっぽど、屈辱的で。 ああ、なんでどうしてこんなことに。 (タイムマシン、あるなら迎えに来てくれよ…もし戻れるなら…3日前の喜田との闇取引が行われる前のバーに、いや、2日前の榎本を『甘いもの食べたいからスイーツ買って俺の部屋に持ってこい』と苦しめな口実で誘ったあの退社前、いや……ちがう。 いまベストのタイミングまで戻るならばついさっきティーカップに知らずと降り注いてましまったあのこなぁぁーーゆきぃぃーーねぇえーーーのあの瞬間まで) 「先輩?」  「ーーはっ!!!」 3度目の賢者タイムから呼び戻された。 真上から見下ろす榎本はとても不機嫌そうに口を尖らす。 「ちょっとまた、違うこと考えてた?なんでそんな心ここにあらずなんですか。 3回もイッちゃったらもう…俺には用ないってこと?」 「そんな、こと…そんなんじゃ…っ…えっと…」 「じゃあ何考えてたのか教えてくださいよ」 「ーー何も無いっ!バカ榎本っ変なことばっか考えなくていいから…、」 変なことばかり考えていたのは自分だが。 「……から?」 「~~~~っ…お、俺のことはもういいから、お前のっ……榎本の、その、したいこと…。 す、好きなようにしろよ……」 「……………」 言ってすぐに赤面し、目を逸らしたまま榎本の返事を待つ。 それは、気持ちばかりの贖罪。 よこしまで卑猥な考えだった自分が少しでも許されるための禊ぎ……のつもり。
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