A-3、特殊能力

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 大輝は鼻で笑った。 「それを聞きたくてアパートまで来る?ラインもブロックしてないし、電話もあるでしょう?ここに来たのは好奇心だけじゃない。君の色が違うと言っている」  大輝の目が、まりなの全身を見る。その眼差しは全てを見抜くような冷たさがあった。 「自分に都合がよくなるためなら何でもしそうな感じだ。もっと言おうか?ヨリを戻す下心がある。戻すものさえないのに・・・」  大輝の言い方が余りにも失礼だったので、まりなは怒りを感じていた。顔には出していなかった。 「怒ってるね。いいよ。怒って。怒ったら認めることになるよ。僕が、こうなったのは、母と妹を殺されてからだ。15年前の事件だ。横浜に住んでいた。殺人事件だよ。調べてごらんよ。そうしたら、少しは僕と言う人間がわかるだろう。知りたいならどうぞ。スペックとかしか興味が無いなら辞めておいたほうがいい。面倒臭いから」 まりなの目の前でドアは締まり、ガチャっとカギをかける音がした。  お母さんと妹さんが殺された?  15年前・・・大輝は高校生だ。本当なら、どれだけショックだったことだろう。  なにがあったんだろう。  人間性が見えるなんて到底信じられない。大輝は精神を病んでいる。  まりなは15年前の事件が本当かどうか調べてみようと思った。
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