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出会い(3)
赤い瞳をきらきらさせて聞いてくれるリュークさんに、なんだか胸がくすぐったい。
「すげー旨そう。ありがとな」
「こちらこそありがとうございました──わっ!」
帰ろうと思ったら、トナカイの角がニョキっと現れた。バクバク跳ねる心臓を押さえて、トナカイ獣人を見上げた
「ごめんね。へえ、すごく美味しそうだね。ミーナちゃんは、まだ時間あるの?」
「えっ、はい。今日はお休みなので時間は大丈夫ですけど……?」
「新作なら、感想聞きたいんじゃない?」
「あっ、それは聞けたら嬉しいですね……?」
みんなで食べてくれるのかなと首を傾げる。トナカイ獣人は、そうでしょう、と笑ってうなずく。
「リュークは今から昼休憩だから、一緒に食べて感想聞いておいでよ」
トナカイ獣人に力強く背中を押される。
戸惑いの声をあげたのに、わたしもリュークさんも店の外に追い出され、唖然とした。リュークさんと顔を見合わせて、吹き出した。
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