過去

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パンッ!と手と手が音をたて 目の前が白く光った。 次に目を覚ました時は、 1週間前の授業中だった。 「じゃぁーここ。真空…答えてみろ。」 「はい!えっと…………。」 「ぁ…。」 静かに声が出てしまった。 つい2時間ほど前まで話していたのに…笑い合っていたのに…。 あんな姿(死体)を見てからだと ぁ…やばい。 涙が…。 「ぅぁ…うぅ…。」 私は先生にバレないように静かに 涙を流して泣いた。 泣かずにはいられなかった。 学校が終わり、いつも通り真空と 帰ることになった。 「マー君、今週…私の家に来ない? 両親がまた会いたいってさ。」 海に行ったらマー君は死んだ。 だったら行き先を変えればいい! 「いいの?俺も会いたい。」 「うん!じゃあ8時に家に来てね。」 「りょーかい。」 車が来たのは10時くらい…。 だったらそれより前に家にいたら 安全だ。 翌朝、目が覚めたら一番にマー君に 連絡した。 『今から行くね』 そう連絡が返ってきてから1時間 経った。流石に私は心配になって マー君の家に向かった。 向かうと親御さんは「もう行ったよ」と答えた。 そこに… 。 音の方に向かうと通り魔に 襲われた人が重体だそう。 私は嫌な予感がして人混みをかき分け 前に向かった。 運ばれてあるヒトの顔が見えた時、 私は思わず叫んだ。 「マー君!」 そう。マー君だった。 マー君は、お腹らへんから大量に 血を出し意識を失っていた。 「起きてよ…後何回やれば…。 生きれるの?」 近くにいた警察らしき人が「知り合いですか。」と、聞いてきて私はすぐに 首を縦に振った。 そうすると、 「今から病院に向かいます。 ついてきますか?」と言ってきた。 もちろん「はい」と答えた。 手術中の赤いライトが消えた。 私はバッと立ち上がり先生を待った。 出てきた女性の先生は 「もっと早く連れてこられなくて ごめんなさいね。」と 謝った。 私は、「マー君は…?」とすぐに聞くと 「マー君?あぁ、内野真空(うちのまそら)くんの事で合ってる?」 と、確認してきた。 「はい」と言うと、 彼女はすぐに、 「ごめんなさい、助けられません でした。」 と、謝罪をした。 私はこの会話に既視感を感じていた。 でもそれを気にせず、すぐに、 「そうですか。」 と軽く告げるとすぐに病院を 後にした。 また失敗しちゃったなぁという思いと 絶対助けるという決意を込めて。
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