幸せとは Ⅴ

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幸せとは Ⅴ

太陽は18時半頃に帰ってきた。 隆弘は仕事で遅くなるので、3人で夕食を食べた。 太陽は、今日の会社でのことを話してくれた。 「今日仕事辞めることを課長に話してきた。昨日のことが原因か聞かれたけど、その前から決めてたことだからって言った。遥のことも心配してて、由奈さんが昨日遥の上司に話したことを聞いていたみたいだけど、一応俺からも伝えておいたね。会社の前での出来事だったから見てた人多かったみたいだけど、俺も遥も気にせず会社に来るように言われた。みんないい人たちで助かった。」 「そっか。いろいろありがとね。」 「あと、昼休みに由奈さんと藤村にボクシングのこと話したら、冗談はやめてよって言われた!」 「だから言ったでしょ!」 と遥が言うと、 「自分の身は自分で守れってお父さんが言って、無理矢理通わせられたのよね。」 と由美が言った。 「そうそう。俺は、自分の子供にはいろいろ無理強いしないつもりだから。」 「子供って。太陽ったら、気が早過ぎるんじゃない?遥さん困っちゃうわよ。」 「違うよ。直ぐになんて言ってないだろ!いつかそうなったらいいなとは思うけど。。」 「はいはい。そうね。太陽もいつまでも子供じゃないものね。」 「そうだよ!立派な大人!ね、そうだよね、遥?」 「え!?うん。大人っていうより、わたしにとっては王子様みたいな存在だよ。」 遥が答えると、太陽は真っ赤になって 「何だよそれ。」 と呟いた。 「お父さんにその顔見せてあげたいわ。」  由美はそう言って笑った。 ご飯が食べ終わった頃、宅急便で実家から遥の荷物が届いた。 太陽と一緒に部屋で整理をしていると、 「遥、下着昨日のまま?」 太陽は聞いた。 「そうだよ。」 と言うと、 「服脱いでくれない?」 と照れくさそうに言った。 また返事をする前に脱がされてしまった。 「はぁ。。荷物の整理が終わったら、ドライブしない?」 と言って、手当たり次第クローゼット に荷物を詰め込んだ。 「よし、できた!せっかく脱いでもらったけど、もう一度服着て行こう!」 と言って、由美に声をかけて遥の腕を引っ張って車に乗せた。 車庫にはフェラーリが停まっていて、太陽はエンジンをかけた。 「フェラーリ!?初めて乗った。2台あるの?」 と聞くと、 「レクサスは父さん仕事に使ってるから。」 と言って、慣れた様子で運転していた。 「あ、ホテル行っていい?我慢できなくて。」 「この車、すごく目立つけど大丈夫?それにホテルに停められるの?」 「そっか。じゃあ少しだけ離れたところにしよう。多分停められるとは思うけど。」 近くのホテルを通り越して、15分程の距離にあるホテルに入った。 何とか駐車はできた。
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