交際 初体験 II

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交際 初体験 II

太一に初めてホテルに誘われた遥。 未だ処女であることを伝えられずにいた。 このままバレずに済ませてしまいたい。それが遥の本音だった。 ホテルに入ると、太一の方が緊張していた。 太一の中で、遥が乱れる姿を想像できないと何度も言っている。 「俺、初めてじゃないのに緊張が半端ないんですけど。。」 「わたしもだよ。」 言葉とは裏腹に、遥はあまり緊張していなかった。 相手が太一だからなのか、腹を決めたからなのか、どちらか分からなかった。 ホテルに入るなり、太一は遥の服を全部脱がせた。 遥は細身で胸も小さかったので、恥ずかしくて布団にくるまった。 「可愛い。」 と一言だけ言って、太一はキスをしてきた。 キスは優樹と、あの日に抱きしめられた時にしていたので初めてではなかった。 太一とのキスはさほどドキドキせず、こんなものなのかと思った。 前戯については、友達から色々聞いていたので、優しい太一だからきっと沢山してくれると思っていた。 しかし、太一はSEX自体が久しぶりだったからなのか、期待していたような前戯をしてくれずに、キスから数分で 「入れていい?」 と聞いてきたのだ。 「その前に俺の、口でしてくれる?」 遥は驚いた。 優樹の時もそうだった。 男とはこういう生き物なのか? 優樹の時は上手くできなかったので怖かった。 また上手くできずに太一の気持ちが冷めてしまうのでは?そんな考えが頭をよぎった。 遥は歯を立てないように、優しく舐めることにした。 「痛っ」 と一度だけ言われたけど、それ以外は何も言わなかった。 5分くらい頑張ったところで、 「入れるね」 と言ってきたので遥は受け入れることにした。 そう思ったのも束の間。 「あれ?入らないな?遥ちゃん濡れてないな。」 と太一は呟いた。   後から考えれば、前戯が殆んど無かったのだから入らないなのは当然だ。 しかし、この時の遥は経験が無く分からなかった。 「ごめんね。どうする?」 「俺が頑張るから大丈夫」 と言って太一はさっきより沢山前戯をしてくれた。 その甲斐があって何とか挿入するところまではできたのだが。 「あれ??奥まで入らない。何でだろ。」 「実は、わたしもするの久しぶりなんだよね。そのせいもあるかも?」 「そっか、今日はここまででやめておこうか。」 遥はそう思った。 その後太一は疲れていたのか、後ろから遥を抱きしめるようなポーズで眠りについた。 起きてから家に帰るまでのことはあまり覚えていない。 いつも通り笑顔で別れたような気もするが、明日から職場で気まずくなるのではないかと憂鬱な気持ちになった。
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