202人が本棚に入れています
本棚に追加
幸せとは Ⅴ
太陽は18時半頃に帰ってきた。
隆弘は仕事で遅くなるので、3人で夕食を食べた。
太陽は、今日の会社でのことを話してくれた。
「今日仕事辞めることを課長に話してきた。昨日のことが原因か聞かれたけど、その前から決めてたことだからって言った。遥のことも心配してて、由奈さんが昨日遥の上司に話したことを聞いていたみたいだけど、一応俺からも伝えておいたね。会社の前での出来事だったから見てた人多かったみたいだけど、俺も遥も気にせず会社に来るように言われた。みんないい人たちで助かった。」
「そっか。いろいろありがとね。」
「あと、昼休みに由奈さんと藤村にボクシングのこと話したら、冗談はやめてよって言われた!」
「だから言ったでしょ!」
と遥が言うと、
「自分の身は自分で守れってお父さんが言って、無理矢理通わせられたのよね。」
と由美が言った。
「そうそう。俺は、自分の子供にはいろいろ無理強いしないつもりだから。」
「子供って。太陽ったら、気が早過ぎるんじゃない?遥さん困っちゃうわよ。」
「違うよ。直ぐになんて言ってないだろ!いつかそうなったらいいなとは思うけど。。」
「はいはい。そうね。太陽もいつまでも子供じゃないものね。」
「そうだよ!立派な大人!ね、そうだよね、遥?」
「え!?うん。大人っていうより、わたしにとっては王子様みたいな存在だよ。」
遥が答えると、太陽は真っ赤になって
「何だよそれ。」
と呟いた。
「お父さんにその顔見せてあげたいわ。」
由美はそう言って笑った。
ご飯が食べ終わった頃、宅急便で実家から遥の荷物が届いた。
太陽と一緒に部屋で整理をしていると、
「遥、下着昨日のまま?」
太陽は聞いた。
「そうだよ。」
と言うと、
「服脱いでくれない?」
と照れくさそうに言った。
また返事をする前に脱がされてしまった。
「はぁ。。荷物の整理が終わったら、ドライブしない?」
と言って、手当たり次第クローゼット に荷物を詰め込んだ。
「よし、できた!せっかく脱いでもらったけど、もう一度服着て行こう!」
と言って、由美に声をかけて遥の腕を引っ張って車に乗せた。
車庫にはフェラーリが停まっていて、太陽はエンジンをかけた。
「フェラーリ!?初めて乗った。2台あるの?」
と聞くと、
「レクサスは父さん仕事に使ってるから。」
と言って、慣れた様子で運転していた。
「あ、ホテル行っていい?我慢できなくて。」
「この車、すごく目立つけど大丈夫?それにホテルに停められるの?」
「そっか。じゃあ少しだけ離れたところにしよう。多分停められるとは思うけど。」
近くのホテルを通り越して、15分程の距離にあるホテルに入った。
何とか駐車はできた。
最初のコメントを投稿しよう!