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開放 II
「遥、自分の身体のこと自覚してないって罪だよね。しかも意地悪だったし。」
「太陽は経験が沢山あるから比べられるんだよ。」
「そう言われちゃうと。。ごめん。」
「いいよ。その代わり、触って寝るから。」
「手汚れちゃうよ。拭くから待って。」
「拭かなくていい。そのまま触りたい。おやすみ。」
「おやすみ。」
ヌルついたモノを触りながら、抱き合って眠りについた。
翌朝起きると、まだ遥の手は太陽のモノを握っていた。
太陽は先に起きて、遥のことを見つめていた。
「おはよう。ずっと握ってたの?」
「うん、そうみたい。いきなり恥ずかしくてなってきた。」
「昨日はあんなだったのに?」
「忘れてー!」
二人で戯れ合いながら起きた。
太陽がシャワーを浴びてる間に、遥は着替えて二階にある洗面所で手と顔を洗った。
ご飯を食べて太陽が出社した後、洗濯と布団を干して、会社に電話をした。
迷惑をかけてしまったことを詫びて、退職の意思を伝え、引き継ぎや残務はテレワークでできないか聞いてみた。
コロナの影響でテレワークのシステムは整っているので、問題ないと課長は言ってくれた。
更に、家での必要な設備やシステムは如月が知っているので、伝えておくと。
今日は有給休暇扱いで休むように言われた。
太陽は課長に、遥と一緒に住んでいることを話してくれたようだった。
月曜日の出来事も深くは聞かれなかった。
由奈と太陽に感謝の気持ちでいっぱいなった。
課長との電話が終わった後、母親に電話をした。
仕事を辞めるつもりであることを話した。
「お母さんもその方がいいと思う。お父さんもお姉ちゃんもそう言ってた。一度全部リセットして、太陽君と一から頑張ればいいんじゃない?」
母親はそう言ってくれた。
太陽は19時頃に帰宅し、ご飯とお風呂を済ませて、パソコンの設定をしてくれた。
動作の確認をして、終わった時には23時を回っていた。
「遅くなっちゃってごめんね。」
と遥が言うと、
「役に立てて嬉しいよ。」
と言ってベッドに入った。
「疲れ取れる?わたし布団で寝ようか?」
「何言ってるの?別々の方が眠れないよ。」
と言って遥を後ろから抱きしめて眠りについた。
翌日から遥は在宅で仕事を開始した。
土日は太陽と買い物やデートをして過ごしているうちに、退職日まであと一週間になっていた。
この間に太陽と話し合って、遥も太陽と同じ日に退職すること、入籍は退職した翌日にしようと決めていた。
未だ新居は決め兼ねていたが、入籍後に両親を交えて話し合うつもりでいた。
挙式は、太陽の新しい仕事に慣れた頃に家族でする予定をしていた。
この日は退職前の最後の休日だったので、太陽と一緒に結婚指輪を買いに行く約束をしていた。
10時頃、準備を終えて家を出ようとした時、遥のスマホが鳴った。
画面には太一の母親の番号が表示されていた。
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