スタート I

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スタート I

その後もあっという間に時間が過ぎた。 遥は、退職日までに2日間出勤し、送別会も開いてくれた。 由奈、藤村、陽菜も個別に送別会をしてくれて、太陽と一緒に参加した。 この3人は最近仲良くなったらしく、たまに飲みに行く仲だと由奈が言っていた。 陽菜が、 「最近如月さんが幸せそうで、女子たちがフェロモンがすごいって噂してましたよ!元から綺麗なお顔ですけど、更にイケメン度が上がったって。」 と言うと、 「はは。幸せには間違いないですけど、美化し過ぎです!俺の本性知ったら驚きますよ。」 「そうなの。本当は変 」 「ちょっ!遥、それ以上は。。」 太陽は慌てて遥の口に手を当てた。 「ホント仲良しですね。門宮さんは如月さんの一番好きなところはどこですか?こんなこと聞いて失礼かもしれないんですけど。」 陽菜は聞いた。 「そうだな。一緒にいて安心できるところかな。あとは、一緒にいて楽しいし素の自分でいられる。自分の弱さとかダメな部分も全部受け止めてくれる。」 遥が言うと 「そういう人に出会って結婚できるって、本当に幸せなことですよね。わたしも頑張らないと!」 と陽菜は笑顔で言った。 由奈は 「まぁ、太陽君はずっと遥が好きだったからね。おめでとう。」 と太陽の背中を叩いて言った。 「ありがとうございます。皆さんに祝福してもらえて幸せです。」 と泣きそうな顔で太陽が言うと、藤村が 「泣くな!如月、退職してもまたこのメンバーでたまには飲みに行こう!今までありがとな。」 と言って太陽と握手をした。 「あと、フェラーリ今度乗せて!」  「勿論!今度実家に遊びに来て。家が決まってないから暫くは実家にいるので。」 太陽が言うと、陽菜が 「えー!わたしも乗りたいです!いいですか?」 と聞いた。 「3人でいつでも遊びに来てください。ね、遥。」 と遥の方を見て太陽は言った。 遥は頷きながら、この会社でこのメンバーと出会えてよかったと心から思えた。 「遥は明日からのこと決まってないんでしょ?」 と由奈が聞いた。 「そうなの。太一の心配が無くなったから、いろいろ考えてはいるんだけど。」 遥が言うと、 「太陽君はどう思ってるの? 由奈は太陽の方を見た。 「正直家にいて欲しいんですけど、遥の人生だからちゃんと気持ちを聞いて、話し合おうと思ってます。」 「遥が外で働くの心配なんじゃない?何となく太陽君の気持ちが分かる気がする。遥は自分のこと分かってないところがあるから。」 「分かります?そうなんですよ!いくら結婚してたって、そういう目で見るヤツが絶対いるじゃないですか!」 「あはは。太陽君心配性!でも遥、入社して二ヶ月くらいした頃かな?同じ課の田中さんに、美味しい和食のお店知ってるから、土曜日に一緒に行かないか誘われてたの。まだ結婚はしてなかったけど、彼氏いるんだから普通断るでしょ?でも、和食大好きなんです!って一緒に行ったんだよね。そしたら田中さんが遥のこと好きになっちゃって、わたし相談されたんだから。遥がすごくオシャレして来てくれて、俺もしかして脈があるんじゃないかって。田中さん、彼氏のことより太陽君と仲が良いことを気にしてて、遥に告白しようかどうか悩んでたんだよ。全然知らなかったでしょ?」 「遥、それはちょっと。。」 「え!?田中さんが!?最初の頃すごく親切に色々教えてくれて、和食が好きって言ったらわざわざ土曜日に連れてってくれた。今日までずっと優しくしてくれて、帰り際にお幸せにって声かけてくれたんだよ!まさかそんなふうに思ってくれてたなんて。」  「そういうところだよ。。自覚がないにも程があるよ。」 「それは。。でも、太陽だってそうじゃない!お持ち帰 」 「わーーー!ストップ」 太陽は遥を抱き寄せた。
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