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一目惚れ(大学3年生)
生まれて初めて一目惚れをした。
この恋が、後へ続く不倫へのきっかけだったのかもしれない。
3年生の時、他学部との飲み会に誘われて参加した。
金髪でブルーのカラーコンタクトをしている一際目立つ男が優樹だった。
彼は遥がこれまで会ったどの男性よりも整った顔立ちをしていた。
最初は席が離れていたが、皆酔いが回ってきた頃に優樹は遥の隣に来た。
「ここ座っていい?」
「うん。」
「名前は?」
「遥です。」
「俺は優樹。宜しく!」
お互い簡単な自己紹介をした後は、大学の話やバイトの話で盛り上がった。
優樹には彼と同じ学部の同級生である彼女がいることも知った。
それにも関わらず、
「遥ちゃんの連絡先教えてよ」
と飲み会の最後に聞かれた。
もしかしたら、と微かな期待を抱いてLINEを交換した。
生まれて初めて一目惚れした相手に彼女がいる。なのに彼の方から連絡先を聞いてきた。
遥は恋愛経験がなかったので、この事実をどう捉えていいか分からなかった。
飲み会の後2時間かけて家に着く頃、優樹からLINEがきた。
「もう家に着いた?飲み会お疲れ。もしよかったら今度2人でご飯食べに行かない?」
遥は動揺するも、その気持ちはすぐ嬉しさに変わった。
「うん勿論!でも彼女さん大丈夫?」
「大丈夫大丈夫。」
「そっか。気にはなるけど大丈夫なら行こう。」
この時は舞い上がっていて、彼女に対する罪悪感は無く、ただ優樹から誘われたことが嬉しくて、その気持ちでいっぱいだった。
数日後、講義が終わってからご飯に行く約束をした。遥にとっては初めてのデートだった。
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