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SEXが失敗に終わった。その後
大好きな優樹とのSEXが失敗に終わった。
ショックだった。
でもきっとまた次がある。
遥にとっては長い一日だった。
優樹とのSEXが失敗に終わった後、遥はこう切り出した。
「外にご飯食べに行こうよ!」
「そうだね。」
駅前のファミレスで少し早めの夕食を食べた。
「なんかごめんね。初めてで上手くできなくて。」
「謝ることじゃないよ。」
会話はなかなか弾まず、その日はそのまま別れた。
帰宅後、
「おやすみ」とLINEを送ったものの、いくら待っても優樹からの返信は来ず、朝まで眠れなかった。
優樹にとって自分は遊びだった。
ただ彼女以外にSEXする相手が欲しかった。
薄々気付いていたけれど、気付かないふりをしていた。
優樹と大学でも会えず、返信がないまま数日が過ぎた頃。
優樹から着信があった。
遥は直ぐに出た。
しかし。
「もしもし。優樹君?連絡くれてありがとう。」
「えぇーっとぉ、わたしは優樹じゃありませーん!バイト先の先輩だよー。遥ちゃん?こいつさぁ遊び人でしょー。彼女いるのにさぁ。誰にでも手を出すのよ。優しくてだまされちゃうよねぇ。遥ちゃんも気をつけなよー。」
となぜか酔っ払っているであろう女性がいきなり話し出した。
遥は想像した。
優樹がバイト先で遥との関係を先輩A子に話した。
酔った勢いでA子が優樹のスマホから遥に電話した。
親切のつもりで?いろいろ教えてくれた?
最悪だ
遥は電話を切った。
翌日の朝、優樹からLINEがきた。
「昨日は先輩が勝手に電話して嫌な思いさせちゃってごめん。遥ちゃんが俺のこと好きなのは気付いてた。でも、やっぱり俺、彼女のことが好きなんだ。本当にごめん。」
遥は
「分かった。」
と言うしかなかった。
悔しくて情けなくて泣いた。
ご飯が食べられなくなった。
もし事実を知っていたら泣きたいのは彼女の方だっただろう。
でもこの時はそう思えなかった。
遥の頭の中は
SEXが上手くならないと相手にされない
好きになった相手に彼女がいても、次こそは自分の方を向かせてみせる
こんな思いでいっぱいだった。
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