卒業 就職 I

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卒業 就職 I

その後優樹と連絡を取ることはなかった。 何度か大学で優樹と彼女が一緒にいるところを見かけた。 最初は苦しかったけど、徐々に過去の出来事としてインプットされた。 残りの大学生活は、友達と旅行したり、合コンしたり、バイトしたりと忙しく過ごしていた。 彼氏が欲しいという気持ちは消えずにいたけれど、心のどこかで優樹のことを忘れられずにいたのだろう。 合コンして、デートに誘われることがあっても全て断っていた。 大学4年生になったばかりの頃、就職が決まった。 バイトで接客をしていて楽しかったので、就職先は大手ホームセンターでの販売業を選んだ。 充実した大学生活はあっという間に終わり、遥は社会人になった。 社会人になった遥にとって、男性経験が無いということは、とてつもないコンプレックスとなっていた。 麻友以外の友達には、処女であることを隠していた。 周りが彼氏との行為の話で盛り上がっている時は、相槌を打ったり適当に話を合わせる。これが当たり前になった。 遥はそう思っていた。 そんな時出会ったのが太一(たいち)だった。
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