202人が本棚に入れています
本棚に追加
卒業 就職 I
その後優樹と連絡を取ることはなかった。
何度か大学で優樹と彼女が一緒にいるところを見かけた。
最初は苦しかったけど、徐々に過去の出来事としてインプットされた。
残りの大学生活は、友達と旅行したり、合コンしたり、バイトしたりと忙しく過ごしていた。
彼氏が欲しいという気持ちは消えずにいたけれど、心のどこかで優樹のことを忘れられずにいたのだろう。
合コンして、デートに誘われることがあっても全て断っていた。
大学4年生になったばかりの頃、就職が決まった。
バイトで接客をしていて楽しかったので、就職先は大手ホームセンターでの販売業を選んだ。
充実した大学生活はあっという間に終わり、遥は社会人になった。
社会人になった遥にとって、男性経験が無いということは、とてつもないコンプレックスとなっていた。
麻友以外の友達には、処女であることを隠していた。
周りが彼氏との行為の話で盛り上がっている時は、相槌を打ったり適当に話を合わせる。これが当たり前になった。
未経験=恥
遥はそう思っていた。
そんな時出会ったのが太一だった。
最初のコメントを投稿しよう!