安枝、イタリアに行く

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「あの子には、世話になっちゃったな 若い割には気が利くし 何かお土産を買って帰るとしよう」 安枝はそうつぶやくと到着ロビーへと向かった マリアからのメールには、到着ロビーで待って いてくれれば、自分から見つけるとあったが… どうやら異国の地で、しかもイタリアの観光地として、さほどメジャーではない空港で アジア系の小さいおばさんがキョロキョロして いる姿は珍しいらしく、すぐに 「おばあちゃん!」 そう叫んで、安枝に駆け寄ってきた若い女性 それがマリアで 「マリア?あんたがマリアかい?」 見ると黒髪に、黒目がちでクリリとした瞳 肩までの髪は、ゆるくウェーブがかかっている スリムで、やや背が高い印象だ 「yeah!アイたかった!ハジメまして!」 弾けるような笑顔でそう言われ 「迎えに来てくれてありがとよ、言葉、わかるかい?ジャパニーズ、オーケー?」 「oh!話す方は、得意、意味わかる、ダイジョウブ!letter届いた、ヨカッタ!」 やれやれ、どうにかなりそうだね おっと、いけない、携帯のボタンボタン! 安枝は自分の携帯を取り出すと 事務員からもらった紙を見ながら パケ放題とやらををセットする マリアは 「クルマで来てますから、パーキングへ」 と、言って安枝と連れだって歩き出した
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