33人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの子には、世話になっちゃったな
若い割には気が利くし
何かお土産を買って帰るとしよう」
安枝はそうつぶやくと到着ロビーへと向かった
マリアからのメールには、到着ロビーで待って
いてくれれば、自分から見つけるとあったが…
どうやら異国の地で、しかもイタリアの観光地として、さほどメジャーではない空港で
アジア系の小さいおばさんがキョロキョロして
いる姿は珍しいらしく、すぐに
「おばあちゃん!」
そう叫んで、安枝に駆け寄ってきた若い女性
それがマリアで
「マリア?あんたがマリアかい?」
見ると黒髪に、黒目がちでクリリとした瞳
肩までの髪は、ゆるくウェーブがかかっている
スリムで、やや背が高い印象だ
「yeah!アイたかった!ハジメまして!」
弾けるような笑顔でそう言われ
「迎えに来てくれてありがとよ、言葉、わかるかい?ジャパニーズ、オーケー?」
「oh!話す方は、得意、意味わかる、ダイジョウブ!letter届いた、ヨカッタ!」
やれやれ、どうにかなりそうだね
おっと、いけない、携帯のボタンボタン!
安枝は自分の携帯を取り出すと
事務員からもらった紙を見ながら
パケ放題とやらををセットする
マリアは
「クルマで来てますから、パーキングへ」
と、言って安枝と連れだって歩き出した
最初のコメントを投稿しよう!