「能力」が使えるようになった高校生

日常

その後も、翔は何度か同じ感覚を経験した。学校の授業中、部活動の最中、そして友達と話している時も。彼の感覚は鋭くなり、周囲の状況を瞬時に把握する能力が身についていた。

「翔、何か変わったことがあったのか？」親友の恭介が尋ねた。

「いや、何も。ただちょっと疲れてるだけさ。」翔は曖昧に答えたが、心の中では自分の変化を感じていた。

放課後、翔は一人で図書館に行き、自分の感覚について調べ始めた。超能力や超感覚についての本を読み漁り、自分の体験と照らし合わせてみた。

「もしかして、これが『第六感』ってやつなのか？」翔は本のページをめくりながら、自分の感覚が普通ではないことを確信し始めた。

親に言っても信じてくれない。
そんなのはわかってる。
本当にわかってるんだ。
これは僕の心の中にとどめておこうと誓った。