プレシャスプレイス

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 小説家、と言っても作品を出したのは随分前で、おまけに1冊しか無かった。今、書いていないなら、小説家とは言えないのかも知れない。小説家であった、と言うべきかも知れない。  秘密、では無いのだけど。誰かの別の顔を知るのは興奮する。私は本屋さんに向かった。  お。自分でゼロから行き先を決めれた。  田中先生の本は見つからなかった。古本屋さんも探してみたが、同様だった。  私はスマートフォンを手に取り、大手のネットショップを探しているみた。やはりヒットはしなかった。けど。こうなると俄然、読みたくなってくる。だって。あの『マシン』が小説を書いたなんて信じられない。一体どんなお話しなの?  私は最後の手段としてSNSで呼びかけた。ちなみにこのSNSは友達の勧めで始めた。最初の2ヶ月は楽しかったが、受験勉強の時期と重なった事もあり、なんだかしんどくなってやめた。友人の方も同様みたいだ。更新は半年以上、途絶えていた。  
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