三度目の再会

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男手一つで育てられ、一人で生き抜く強さというものを教わってきた。 七十歳(ななじゅう)間近の父さんは、高血圧の服薬こそあれ現時点ではすこぶる元気だ。 「嫌だよ、面倒くさい…」 「お願いします‼︎いてくれるだけで良いんです」 もうじき二十九歳(にじゅうきゅう)になる私が六歳下の後輩たちに混ざって合コンだなんて冗談じゃない。 「私と向かい合う人可哀想過ぎでしょ」 「オリヴァ…ですよ」 「…な、何だ…と」 私が最近気になっている大人気のイタリアンバルではないか‼︎ 「合コン相手の取引先なんですって…。別枠予約らしいです」 「オリヴァのローストビーフ…」 「コースにしっかり入ってますッ」 後輩の力強いサムズアップ。 「…行く」 こうして私…牧野(まきの)華美(はなみ)は、後輩からの頼みをに人数合わせの為の合コンに参加する事になったのだった。
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