三度目の再会

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「きちんと向き合って話そう」と麻生を部屋に入れたのが引き金になり、扉を閉めるや否や奪われた唇。 受け入れ求め合い、キスは次第に深くなっていく。 「逃げるなら…いつかじゃなく今にして。私はこの先ずっと、父さんを一番優先するつもりだから…」 「…逃げる?んな訳ねぇじゃん」 「気付かなかったかも知れないけど父さんは…」 「分かってるよ。分かってて言ってる」 ベッドの上で服を脱ぎ散らかして、何度も何度もキスを繰り返す。 乾いた心と身体が幸せで満たされて濡れていく。 私を溶かした指が引き抜かれ、濡れた先端が擦れ合う。 「持ってないから入れらんねぇや」 「良いよ…そのままで」 私は出張の多い部署にいた頃から今でもずっと、ピルを飲み続けている。 「…本当に、良いんだよな?」 私が頷くと、甘い痛みが身体を駆け抜けた。 私は別に、子供じゃないから大丈夫。 いつだって逃げて良いからね。 一人で生きていく準備はできているから…。 だけど、今 麻生がここにいてくれて良かったって思ってる。本当にありがとう。
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