三度目の再会

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携帯が鳴りハッとして手に取ると、画面には"父さん"と表示されている。 早足で店外に出て、携帯を耳に当てた。 『がこんな時間まで何してるんだ‼︎』 父さんの声が耳と心に突き刺さる。 「ごめんね、だったんだ。今帰ってる所だよ」 顔を上げると麻生が立っていた。 「したんじゃない…されたんだ」 「…別にどうでも良いし」 ()けて店内に戻ろうとする私の腕を、麻生が強く引き寄せ抱きしめてきた。 「どうでも良いなんて思ってたら、あんな顔しねぇだろ…」 「本当にどうでも良い…。早く帰りたいから離してくれない?」 「なぁ、付き合おうよ」 「他を当たってくれる?」 「俺、あんたが良いよ…牧野さん」
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