crazy rose circus

1/1
前へ
/2ページ
次へ

crazy rose circus

時はいくつか昔のお話。 あるところに、町一番のサーカス団があった。 名を 『crazy rose circus(クレイジーローズサーカス)』という。 その名の通り、パフォーマンスの終始に薔薇の花弁が舞い、レッドカーペットとなる。 一見美しく見えるかもしれないが、パフォーマンスは「crazy」の通り狂気に満ちていた。 細身の男性がライオンと奮闘したり、綱渡りではキメラのような衣装を着、トゥシューズを履いて、まるで薬物をやったかのように歩いたり。 闘牛のパフォーマンスも取り込まれており、人によっては散る薔薇が血飛沫にすら見えただろう。 そして何より、ピエロのパフォーマンスが人気を誇っていた。 ピエロというと、子供向けのパフォーマンスだったり、風船やお菓子を配ったり…… しかし、『crazy rose circus』のピエロは一味違った。 ピエロは女性が担当し、 ピエロの顔が描かれた仮面を付けている。 威圧的な雰囲気で、言葉を発しない代わりに、人形のように動き不気味なオーラを放っていた。 下の顔は誰も見たことがないと言われ、好奇心旺盛な子供たちはその顔を知りたがった。 だが、その時の噂話として、 「ピエロの顔を知った者は、捕まって喰われる」 といった話があった。 皆がそれを信じ込み、誰もピエロの仮面と取ろうとしなかった。 実際、1人が消えている。 ______________________
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加