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「私はあなたとやり取りをすることで、気がつきました。あなたは根っからのクズじゃない。ホストをするうえで、やむを得ずクズを演じていた。本当の自分がなんなのか、自分でもわからなくなるくらいに。そうでしょう?」
「……」
メンジは返す言葉もない。ナカヤマの人間の本質を見抜く能力の高さを感じる。
「……うーん、どうだろうね」
メンジは軽薄な態度で腕を組む。根っからそうしたいわけでもないのに、ホスト時代からの虚勢を張る癖が抜けない。
「あなたは一夫多妻制を望んでいるようですね」
「うん、そう。日本じゃ叶えられないとはわかっていても、豪邸で三十人の妻と暮らすことを夢見ていたんだ」
「そう――」
ナカヤマはメンジの言葉に真顔となる。
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