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「私、あなたのような男性と出会ったのは、初めてだったんです」
ナカヤマはうつむく。
「クズで、女好きで、軽々しくて、どうしようもない人間――」
「ナカヤマちゃん、本人を目の前にして言い過ぎ」
「だけど、なぜでしょう。そう、すべてのはじまりは『なぜ?』という思いからでした。『異世界にはどうしてこのような男性がいるの?』と。いちど考えると、あなたがなぜだか興味深く映ってしまう。そして、あなたについて考えれば考えるほど、理解したい気持ちが強くなる」
「……」
メンジは黙って聞いていた。女性に告白した回数より女性から告白された回数の方が彼だけれど、自分とは異なる世界の出身で知的なナカヤマの言い回しに、新鮮な気持ちとなる。
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