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薄暗い通路を歩いて店内へと向かう。
扉を開けて中に入ると、きらびやかなシャンデリアの光が目を射した。
派手な色の壁紙には、洋画が掛かっている。
バーカウンターの中では、男性ボーイがお酒を作り、華やかな銘仙の着物に白いエプロンを胸高に結んだ女給たちは、軽やかに店内を回り料理と飲み物を運んでいる。
女給の歳は十七歳から二十三歳の間が多い。皆、美しい容姿をしている。
今日もカフェーロイアルは男性客で賑わっていた。
座席で接客をしている女給たちは、男性客の隣に座り、顔を寄せ合いながら談笑している。
親密な雰囲気になると、衝立で仕切られた席に移動する者もいる。
彼女たちの収入は、いかに客に気に入られてチップをもらえるかにかかっているのだ。
「琴絵さん、二番テーブルに入って。ご指名だよ」
琴絵の姿に気が付いた男性ボーイが声をかけてきた。「はい」と答えて指示されたテーブルに向かう。
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