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あまりにも動揺して、自分でも何を言っているのかがわからない。
ユージーンは喉の奥で「くくっ」と笑っている。
「ああ、すまない。あまりにも君が初心な反応を見せてくれて、嬉しくなった。やっぱり、抱いてもいいか?」
「だ、だ、だ、ダメです。我慢するとおっしゃったばかりではありませんか!」
「そうだな。今日は我慢する。明日はどうなるかわからないが」
「明日……」
「なんだ? 君は俺の妻だろう? 俺もやっとここに戻ってこられて、愛おしい妻の側にいられるのだから。少しくらい、かまってくれたっていいのではないか?」
そう言ったユージーンは、いきなりクラリスの肩をつかんで抱き寄せ、口づけた。
あまりにもの行動のはやさに、気がついたら目の前に彼の顔があった。クラリスからしてみれば、そんな感じである。
それも唇と唇を合わせるだけの軽いものではない。彼はしつこく重ね合わせたあげく、唇を食んできた。
「んっ……ふっ……ン」
息苦しくなって呼吸を求めようとすれば、鼻から抜けるような甘い声が漏れた。次第に身体からも力が抜け、ずるずるとソファに沈みかける。
いや、押し倒されている。
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