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初めて来たときは見知らぬ場所で不安だった。それでもクラリスが側にいるし、その彼女が初日から毒蛇を捕まえた功績は大きいだろう。
どうやらこのウォルター領には、毒を持つ危険生物が数多く生息しているようだった。
その毒がクラリスにとっては必要不可欠のものだから、生活の場としては文句のつけどころがないくらい理想の場所。
だというのに、クラリスは二年後には王都へ戻ると言うのだ。クラリスの身体を考えれば、王都よりもウォルター領にいたほうがいいだろうと思うのに。
だけどメイはクラリスに従うだけ。彼女が王都に戻るというのであれば、もちろんメイも一緒に戻るつもりだった。
それから二十日経ったころ。
ネイサンが、クラリスの森の散策に同行してくれる人物を探していた。
以前からクラリスは温室の裏にある森に入りたいと言っていたのだが、許可が下りなかった。理由は、毒を持つ危険生物やら植物がたくさん生息していること、たまに魔獣が出ること。つまり、危険だからだ。
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