7、好奇心

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7、好奇心

◇◆◇ 俺達は寝る前に、一緒にベッドに寝転んでゴロゴロする事がある。 「な、シン」 ベッドにうつ伏せになってると、辰巳が背中に手を回し、話しかけてきた。 「ん~?」 今日はファミレスが大繁盛で忙しかったし、俺はダルダルな気分で返事をした。 「今度さ、休みが一緒になったら、心霊スポットに行ってみねぇ?」 「心霊スポット?」 辰巳はたまに変なことを思いつく。 「ああ、廃神社らしいぜ」 「それやべぇやつじゃん、バチが当たるぞ」 廃神社とか怖すぎだろ。 「大丈夫だ、職場の奴で行った奴がいるけど、別に全然平気だったって言ってたし」 「ふーん、そうなん?」 そういうのが好きな奴は一定数いるみたいだけど、平気だったと聞いたら大丈夫な気がしてきた。 「ああ、昼間に行けば怖くないだろ?」 「そりゃまあ……」 確かに、たとえ山の中でも昼間なら怖くない。 「じゃ、今度シンが土曜か日曜で休みの日にしよう」 辰巳は週休2日だから羨ましい。 まぁ~俺は勉強が嫌いで成績最悪だったし、会社の縦組織っていうのが超苦手で、だから現在ファミレスでバイトなんかやってるんだけど……。 要は自己責任だ。 辰巳は真面目に公務員みたいな面倒臭~い仕事をしてるんだし、偉いと思う。 「わかった、じゃ、次の日曜休みだから、そん時に行こう」 偶然次の日曜日が休みだったので、誘いに乗って行ってみる事にした。 「そうなんだ、じゃあ、案外早く行けるな、楽しみだ」 辰巳は嬉しそうに言ってほっぺたにキスしてきた。 「うーん、辰巳~、この野郎」 俺は仰向けになって辰巳の体を引き寄せた。 「シン……、欲しいのか?」 辰巳は俺にかぶさって聞いてくる。 「ばーか、そんなんじゃねーよ」 いつもヤリたいわけじゃなく、ただイチャイチャしたい時だってあるだろ。 「じゃあ、何故俺を引き寄せた?」 「ギュッとして欲しい」 ただギュッと抱き締めて欲しい。 「こうか?」 辰巳はそのまんまぎゅうっと抱き締めてくれた。 「はあ~、うん……」 こののしかかる重さ、んで、ギュッと締め付けられる感じ、これがたまらねー。 「いっただきま~す」 人がせっかく癒されてんのに、辰巳が耳に噛み付いてきた。 「わっ、また噛み付いて……」 痛みがくると思って反射的に体が強ばった。 「軽くだよ、な……、だろ?」 辰巳は耳朶をやんわりと甘噛みしながら言う。 「あ……、あはぁ~」 これはやべぇ、気持ちいいやつだ。 「シンの体はエロいからさ、ほら、もう乳首カチカチだ」 俺はパジャマを着ているが、辰巳は服の中に手を入れて乳首を摘みあげる。 「んん……、辰巳のへんたーい、変態公務員」 外面はクールな癖に、その実態は……セックス大好きな変態だったりする。 「ああ、俺は変態だ、俺が本性を見せるのはお前だけだぞ、ありがたく思え」 辰巳は開き直って偉そうにいった。 「なにわけのわかんねー事言って……、つーか、ああっ、そんなに強く吸うな」 言いながら、パジャマを捲りあげて乳首に吸い付いてくる。 しかも痛いくらい強く吸ってくるので、感じてしまうじゃないか。 「ふっ、勃ってんじゃん」 乳首だけでもヤバいのに、辰巳はナニをぎゅーっと握ってきた。 「うっ……、そりゃそんな事されたら反応するって」 当然そこは勃起してるから、ギュッとされたらズキンと淫らな疼きがわき起こる。 「しゃぶってやるよ」 辰巳はそっちに関してはやたら精力的だ。 「あっ……」 俺はあっという間にすっぽんぽんにされ、ナニが辰巳に囚われてしまった。 俺達は学生時代はスローペースできたが、最初に体を交えた後、辰巳はどんどん色んな事を習得していった。 だから、フェラも上手い。 適度に竿を頬張っては、竿を丹念に舌で舐め回す。 それを繰り返すので俺は堪らなくなって起き上がり、屈み込む辰巳の背中を撫でた。 「お前、ほんとすげー上手、なあ、出ちゃうよ」 「ん、出るのか? 待て待て」 「あー、またそのパターンかよ~」 俺がイキそうになると、辰巳は即座に挿入する。 「うっ!……あっ、んんんっ!」 大体正常位でヤル事が多い。 ローションでヌルッと滑り、辰巳のナニがズンと中に押し入ってくると、手で口を塞ぐ前にキスされた。 辰巳がいつも正常位ばっかしヤルのは、キスする為だと思う。 俺はすぐにいってしまい、体の中から快感が弾け出した。 息を吸いたいのに吸えなくて苦しい。 けれど、苦しさの中で味わう快楽もMっ気を煽られて興奮する。 舌を絡めて苦悶していると、辰巳は急にキスをやめて首に噛み付いてくる。 「ひっ……、あ"っ、あぁ~」 トコロテンして生じる快感と中から来る快感、それに痛みが加わる。 噛まれるのは嫌だった筈だが、最近は体がそのパターンに慣らされてきた。 前みたいに激しく噛みつかなきゃこれもありかと思って、俺はもう諦めつつある。 …………… 心霊スポットに行く約束をしたのは火曜日だったが、1週間は目まぐるしく過ぎていった。 遂に辰巳と約束した日曜日になり、着替えて用意を済ませたら、いよいよ心霊スポットに向かって出発だ。 俺はやっぱいまいち気乗りしなかったが、辰巳と一緒にアパートを出て、アパートの横にある駐車場へ行き、辰巳の車に乗って出発した。 辰巳は公務員の癖に結構飛ばす。 そのせいで20分位走ると街の景色がなくなり、田畑や山が多くなってきた。 「やっぱ田舎の方へ行くんだな」 「その神社、意外と近いんだ、あとちょっとで着くよ」 「ふーん、廃墟になってても神社だからな~、俺はなんか嫌だ」 触らぬ神に祟りなしって言葉があるし、面白半分で関わるとマズいような気がする。 気分が乗らないまま、それから間もなく現場に到着した。
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