2.名前

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「俺は・・・どうしてここにいるんですか?」 男は看護師に言った。 看護師は一瞬困った顔をしたがすぐに表情を戻して言った。 「大丈夫です。すぐに全部思い出しますよ」 看護師は男の体を支えながら病室へと案内した。 男はゆっくりと病室内へと入った。 「どうぞ、ゆっくり休んでください」 看護師はそう言うと、さっと立ち去った。 空間を四角く切り取った出入り口からあの女性がにゅっと覗いた。 「ソクラさん」 「そういえば・・・君は?」 男は言った。 パジャマ姿でいることを考えれば、この女性もこの病院の患者であることは間違いなさそうだった。 少なくとも病院関係者ではなさそうだ。 そして、この女性はきっとこの病院に入院している。 それはきっと男自身もそうなのだと思った。 少しずつ状況が飲み込めてきたようだった。
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