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「俺は・・・どうしてここにいるんですか?」
男は看護師に言った。
看護師は一瞬困った顔をしたがすぐに表情を戻して言った。
「大丈夫です。すぐに全部思い出しますよ」
看護師は男の体を支えながら病室へと案内した。
男はゆっくりと病室内へと入った。
「どうぞ、ゆっくり休んでください」
看護師はそう言うと、さっと立ち去った。
空間を四角く切り取った出入り口からあの女性がにゅっと覗いた。
「ソクラさん」
「そういえば・・・君は?」
男は言った。
パジャマ姿でいることを考えれば、この女性もこの病院の患者であることは間違いなさそうだった。
少なくとも病院関係者ではなさそうだ。
そして、この女性はきっとこの病院に入院している。
それはきっと男自身もそうなのだと思った。
少しずつ状況が飲み込めてきたようだった。
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