2.名前

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「私・・・?私のことは後で・・・。それよりも、あなた自分のこと何か思い出した?」 女性は自分自身のことを隠すように言った。 男は女性に聞かれて改めて考えてみたが、やはり何も思い出せなかった。 それに、何だか体中が疲れているようだった。 男はベッドに体を預けた。 「ごめん、何だか疲れているんだ。少し休ませてくれないか」 男は女性に言った。 女性は病室の入り口に全身を現した。 「オッケー。また来るね。どうせあなたも私も、この病院から出られないんだから」 女性はそう言うと左手を振りながら去って行った。 「俺も彼女もこの病院から・・・出られない!?一体どういうことだ・・・?」 男は一生懸命考えようとしたが、疲れの方が勝っていた。 意識が段々と遠のいていく。 瞼が閉じたような感覚を最後に、男の意識は遠くの彼方へと吸い込まれていった。
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