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3.食事
目が覚めたときは、男の体はベッドの中だった。
どうやら意識が遠のいたまま眠ってしまったようだった。
男がふと病室の入り口を見ると、扉は閉まっていた。
男はまだ完全には眠りから覚めていない体を起こした。
頭の中がぐるぐると回っているようだった。
入院・・・。
男はなんとなく自分の掌を眺めてみた。
男は自分が誰なのか・・・そして、自分はどうしてここにいるのか・・・。
様々な疑問が生じたが、どれ一つとして答えが見つかることはなかった。
たった一つだけ分かったことは、自分の名前がトラシュマコス・ソクラだということだけだった。
男は立ち上がった。
扉の前に立つと外から声が聞こえた。
「茂木平さん。またトイレですか?」
「モギヘイさん?」
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