1.目覚め

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「だからー。あなた、ここは初めてよね?」 女性の声には苛立ちが少し含まれていた。 一体何と答えたらよいのか。・・・というより、そもそも質問の意味がわからなかった。 やがて霧の中から姿を現すように女性の姿がくっきりと現れた。 女性はピンクのパンダ柄のパジャマを着ている。 そして、おさげの髪に赤縁のメガネをかけている。 目は少し吊り目で、左側の眉毛の上に、小さなほくろがあった。 身長は男より高かった。 と思ったが、どうやらこれは男の勘違いのようだ。 女性の視線は男に向けてかなり下げられていた。 だから、状況から言えば、女性は立っていて、男は椅子に座っているようだった。 男はゆっくり視線を下げると、やはり同じようにパジャマを着た男自身の足が見えた。 ふとその上方を見ると、男の右腕からチューブが延びていた。 そのチューブの先には大きなプラスチック製のパックがあった。 これは・・・点・・滴? 俺は一体誰なんだ? 男の頭の中に疑問が浮かんだ。
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