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「何から説明したらいいかしら・・・」
女性は明らかに困ったようだった。
絵に描いたように口をへの字に曲げ、顎を右手で擦っていた。
吊り目はさらに細くなっていた。
しばらくすると、女性は何やら一人で合点したようだった。
「そうだ。あなた、自分の病室を見てみたらいいんじゃない?そうしたら色々と忘れていたことを思い出すかもしれないわ」
女性は男の後ろを指差した。
男は女性につられて首を捻った。
女性の指差す方向には、扉の開いた病室があった。
男は自然と扉を見た。
その扉は鉄でできていた。
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