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「少し気がついたみたいですね」
看護師は言った。
看護師はスラッと細身で、顔はシュッとしていた。
目尻に特徴がある。
男は少しだけ頷いた。
「先生に伝えておきますね。それと・・・」
看護師は男の体を椅子から起こした。
「病室を見たいそうですね」
看護師はにこやかに言った。
そんなことは言ってなかった。
おそらくあの女性が適当に話を作ったのだった。
あの女性・・・。
そういえば、男はあの女性の名前すら知らなかった。
「良かったねー」
男がそう思うなり、あの女性が手を叩きながら男に近寄った。
男は女性に名前を聞こうと思った。
しかし、その瞬間、男にとって重要なものが目に飛び込んできた。
それは病室の入り口にあるネームプレートだった。
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