1.目覚め

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1.目覚め

男は意識が朦朧としていた。 ここが夢の中なのか現実の中なのか、男には全く区別がつかなかった。 どこかで見たことがあるような景色が浮かんでは消えた。 男はそのうちの一つに手を伸ばしたが、その景色は歪んで姿を消した。 そうこうしているうちに、男の前方から得体の知れない強烈な光が現れた。 男は反射的に目を背けた。 強烈な光が瞬く間に全身を包んだ。 「・・・ねぇ?聞いてる?」 どこかで聞いたことがあるような声だった。 男は意識が次第にはっきりしてきた。 「あなた、ここは初めてよね?」 頭がまだぼーっとしていたが、しばらくすると視界が定まってきたようだった。 傍に女性が一人立っている。 「え?」 男は何とか声をふりしぼったが、ただの掠れ声になった。
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