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それは、尻尾を持つ生き物がよくやる喜びの表現だと知っていたリベルテは表情を緩めた。
「まさか、ルクスちゃんがこんなに可愛らしい子を使い魔にしているなんて、知らなかったわぁ……。ワタシに隠し事するなんて、嫉妬しちゃう」
フェリーヌを目の前に腰を揺らす姿は、傍から見たら変質者である。
おもむろに立ち上がるリベルテは、中庭の向こう側にある茶色い笠のような屋根を指さした。
「あなたには見えないだろうけどぉ……。この先に、魔法道具店があるのよぉ。ルクスちゃんなら、そこに向かうのを見たわぁ。ただ、授業中に見たから、一時間は経っちゃってるわねぇ」
リベルテの言葉を理解したように校庭に座りこんでいたフェリーヌも立ち上がると、教えられた方向に走っていく。
「見つかるといいわねぇ。だけど、普段連れ歩いていないのなら……。やっぱり、迷子だったのかしらぁ?」
疑問に思うリベルテの言葉は風に流されて、フェリーヌは再び姿を消した。
教わった場所の扉前に、生徒の姿がある。
近づいたフェリーヌは、その事実にすぐ気がついた。
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