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ラブストップ!
「好きです!!!」
中学二年生の夏、森口 博は太い身体を震わせて告白をした。
自信はなかったが女神だと言われている菜月に告白したかったのだ。
「はあ? 嫌に決まってんじゃん」
鋭い瞳で軽蔑の瞳をされて去ってしまった。――告白は失敗だ。
博は肩を震わせて泣く。号泣して泣いているとベリーショートの同じクラスメートがハンカチを差し出してくれた。
「森口くん、仕方ないよ。だってみんなから人気あるもん」
「……関は良いよな。あいつの妹だからさ」
「妹だけど……」
ためらっている様子の関に博はさらに肩を落とし泣き出してしまう。だがその手を叩かれて「痩せて見返せれば良いじゃん!」元気づけたのだ。
その言葉で一年もかけて見事に20キロのダイエットに成功することができた。しかも筋肉もつき、軽く細マッチョになっている。
これなら告白なんて成功するはず……などと思っていたのに。
「俺、男だから男同士の恋愛なんて受け付けられないんだけど?」
なんと菜月は男だったのだ。確かに声も太くなり身体も自分よりも大きくなっていた。
だが妹の、菜月の妹である香月は悪戯に微笑んでいる。
「お兄ちゃんがそう言うのなら……、私が森口くんもらっても良いよね?」
「あぁ、その手があるな。よし、それでいこう」
「え、あ……えっーーーー!!??」
森口 博の恋が始まるのだ。
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