26 アレが無い

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26 アレが無い

シャルナーク国との大きな戦いも終わり、シャルナーク国はエドバーバ国の属国となる事が決まった。 これで、エドババーバ国はこの中央大陸の8つのうち3つを治めた大帝国となりつつあった。 しかし、他の5国ももちろん迂闊かはしていなかった。 センティス国とスーベルシア国が同盟を結べば、ナラカット国とデリス国とヤルガータ国は共戦関係を繋いだ。 これにより、エドババーバ連合国VSセンティス連合国または、ナラカット連合国、という構図が中央大陸で出来始めつつあった。 まぁ、とはいえ、どの国も様子見の要素が強く、戦はしばらくは起きなさそうだ。 そんな事を世界地図を広げながら考えていると、夕食が出て来た。 今日は、ナポリタンとハンバーグ、目玉焼きにサラダのようだ。 うーん、バランスは良いんだけれど… 何が不満か?というと、私は生まれてこの方、こちらの世界ではアレわ食べた事が無いのだ。 アレとは? それは、ライス! そう、米、だ!!! あぁ… 白いご飯で、ハンバーグを頬張ったら… さぞかし美味しいだろう… だが、こちらの世界では小麦が一般的であり、米などというものは、南大陸にも、北大陸にも無い。 私は仕方なくそのパスタを食べた。 まぁ、美味しいのだけどね… しかし、そのときはっ!と思いついた! 古く稲というものは、水辺にあった雑草から出来た、という前世の記憶が思い出されたのだ。 地球に稲の原種があるならば、この世界の水辺にも稲の原種があるやもしれぬ!? そう思って水辺を調べ始めた時、皇帝陛下がやって来た。 「エティーナ、何をしておるのだ?」 「今、忙しいゆえ、お好きにくつろいでてください!」 「そなた、ほんっとうに無礼よの! 皇帝陛下を差し置いて忙しいだの… 他の姫が聞いたら、呆れて物も言えんわ。」 ぶつくさ言いながらも、私が取れない上の方の本を取ってくれた。 皇帝陛下の身長は約180cm。 対して私は160cmとこの世界ではやや低い方だ。 「あ、ありがとうございます。」 「いや、良い。 で? 今度は何を企むつもりだ?」 「企むなどと人聞きの悪い… 陛下、明日私と一緒に出かけてくださいませんか?」 「な、な、なんだ!? で、で、デートの誘いか!?」 「いえ、陛下と一緒ではないと、、まだ、外出許可証がないゆえ…」 「ふ、ふん! 誰も期待して無かったわ!」 勝手に怒る陛下。 「まぁ、でも、デートのようなものにございますよ。」 とりあえずのフォローをする。 「で、どこにいくのだ?」 「水辺のダンジョン・スレアでモンスター退治などいかがでしょうか!?」 「どこがデートだ! どこが!?」 陛下の華麗なツッコミ。 「とにかく参りましょう!」 強引にまとめて、次の日スレアに行く事になった。
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