40 難攻不落の城

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40 難攻不落の城

相変わらず、エドババーバの軍はデリィ城を攻めあぐねていた。 私は後宮で考え込んでいてもいい案が浮かばないので、ルードラの街に出かける事にした。 ルードラは金山・銀山、それから農業にても栄えている街であり、そのほとんどが私が手がけたのだ。 ルードラの鉱山に行くと、たくさんの鉱山員達が働いていた。 その中で、土魔導師が4人集まって何かを話し合っていた。 私は彼らのテーブルに向かった。 「これは…! 軍師姫様! お久しぶりでございます!」 土魔導師の一人アーノルドが挨拶した。 「久しぶりですね。 それよりも、4人集まって何を話しているのですか?」 「いや… 実はもう一つ鉱石が出そうな山を発見したのです。 少し高く重みがありますが、4人ならばトンネルを掘れるかと… それで話し合っていたのですよ。」 アーノルドが答えた。 私は 「これだぁぁぁぁぁぁああ!!!!!」 と、叫んでいた。 ♦︎♦︎♦︎ 「つまり、そなたはデリィ城の四方の山脈の一つにトンネルを掘れ、とそう言う訳だな?」 「まさに…! トンネルさえ通じれば、後は全員で攻め込むだけ。 デリィ城も簡単に落ちましょう。」 「ふむ、見事な意表をつく策だ。 しかし、となれば土魔導師4人では心許ないな。」 「もう既にあと5人の土魔導師を探しております。 抜かりはございませんわ!」 私は陛下にドヤ顔で言った。 「よし、では、土魔導師が見つかり次第トンネルを掘る作業に移る。」 「しかし、トンネルを掘る事は敵陣に決して気づかれてはなりません! なので、山を越えて攻撃する振りをしましょう!」 「なるほど、多少の兵は突入するか。」 「それごよろしいかと存じます。 それから、トンネルを掘るには大きな音がします。 魔法爆弾をご用意ください。 それを常に投げて、音を誤魔化すのです。」 私は言った。 「よし! それで行こう!」 ♦︎♦︎♦︎ そして、土魔導師は計9人になり、トンネルを掘る作業が始まった。 と、同時に山越え攻撃フェイク部隊、爆弾発動部隊も作動した。 デリィ山脈では、常に激しい戦いが繰り広げられ、デリス王はまさか、下でトンネルを掘られているとは夢にも思わなかったはずだ。 そして、いよいよトンネルが開通した! 「騎狼隊、騎猫隊を先頭に、全軍突撃ィィィィ!!!」 もふもふの大きな狼に乗った兵達が我先に!と、トンネルを抜けてデリィ城に攻め入った。 続いて、二つのもふ尻尾を持つ大猫又族に乗った兵士らが突撃する。 デリス軍は大慌て! トンネルを塞ごうとするも、エドババーバ軍の勢いは止まらず、どんどん攻め入られる! 完全に勢い付いたエドババーバ軍はものの2時間でデリィ城を落としたのだった。 勝鬨が上がり、デリィ城からは降参の白旗が掲げられた。 こうして、皇帝陛下は見事に難攻不落の城を手中に収めたのだった。
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