41 神の啓示?

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41 神の啓示?

さて、デリスの国を手に入れた陛下はノリに乗っていた。 まさに、飛ぶ鳥落とす勢い、である。 しかし、その分エドババーバを警戒する国が増えたのも当然だった。 さて、それはさておき、私はエドババーバの地図を見ながら考えていた。 この国、つまりエドババーバには王都以外に7つの街があるのだが… 最近は、それぞれの街に特産品が出来始めた。 例えば、ルードラは金山・銀山と農産物、エーラは南方貿易と北方貿易、エドルはライスレストランと水田、だが、残りの4つの街には特に特産品も名物も無かった。 これは…!? 特産品を作れ!という神の啓示に違い無い! そう勝手に解釈した私は、まずは、エッティの街にある名産品を作り出す事にした。 それは… 卵焼き!だ! そう、この世界では卵は、目玉焼きかスクランブルエッグ、オムレツ、と相場が決まっている。 卵焼きなど、みんな見た事もないのだ。 しかし、普通の卵焼きならば、どの国でも真似できてしまう。 それでは、旨みが無い。 ので! 私が作る卵焼きは、だし巻き卵焼き、だ! 私の前世の好物だという事もあり、ただ単に食べたいだけという面もあるのは、否定できない。 とにかくだし巻き卵焼きには、必要な材料がある。 それは… ま、普通に、醤油と出汁、砂糖とみりん、である。 まぁ、色々と材料の違いは地方などであるだろうが、前世のうちではコレだった。 とすれば、出汁は昆布と椎茸などを煮出せばできるし、砂糖もあるが、問題は醤油とみりんである。 醤油は、大豆、塩、小麦を混ぜたり発酵させて作る。 つまり、ここで、発酵のスキルを持つ者か、発酵魔導師が必要なのである。 みりんも、米、米麹、焼酎を混ぜて作る。 どちらにせよ、米麹や焼酎を作る過程で、発酵させなければならない。 私の任務は発酵魔導師を探し出す事! そう、後宮の部屋で心に決めた。 まずは、私はルードラの街に向かった。 ルードラ侯爵に会い、発酵魔導師を募集して欲しいと頼んだのだ。 ルードラ侯爵はすぐに快諾した。 そして、後宮に蜻蛉返りすると、ちょうど陛下が来られた。 「どこに行っておったのだ?」 「ルードラの街に少し。 陛下! それよりも、お願いがございます!」 「ほぉ。 なんだ?」 「こう、こう、こう言ったものを刀鍛冶師に頼んで作って欲しいのです!」 私は白い紙に卵焼き器の絵を描く。 「そなた…!」 「?」 「絵が下手だな…!?」 「本を投げつけられたいのですか?」 「いや、分かった。 多分宮廷の刀鍛冶師ならば作れるだろう。 しかし、これは何だ?」 「ふふふ。 それはまだ、秘密にございます。」 そうして、着々と準備を進めたのだった。
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