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44 あれれ?
sideファウル
俺はその夜、エティーナの寝息を聞きながら眠れぬ夜を過ごした。
そして、エティーナが寝ている間に考えた。
酔った勢いなどではなく、もう一度告白して、エティーナの気持ちをきちんと確かめたい…と…
彼女が目を覚ますと、俺はできる限りの笑顔で、おはよう、と言った。
「おはようございます…
あれ?
私、いつの間にか寝ておったのですね…」
エティーナはキョトンとして言う。
「あぁ…
だいぶ飲んでいたからな…
昨日の事…
そ、そ、その、どこまで覚えている?」
俺は勇気を出して尋ねた。
「んー…
マリア達が退席したところまでは何となーく…」
エティーナは答える。
…と言うことは、やはりキス魔の下りは覚えておらぬか…
「そうか…
昨日は誠に楽しきバースデーパーティーだった。
それで、俺はもう一度そなたにきちんと言いたいと思ったのだ。」
「は?
何をでございますか?」
「…そなたの事を好きだ、と言う事だ。
そして、エティーナ、そなたの気持ちもはっきりと聞かせて欲しいのだ…
以前に告白した時には、肝心の返事をもらっていなかった…
そなたは、俺のことをどう思っておるのだ?」
言ってくれ…
エティーナ…
ただ一言、好きだ、と…
俺はそう願った。
しかし、彼女の口から出た言葉は…
「…す、す、好きでも嫌いでもございません…っ…
こ、こ、皇帝陛下は尊きお方であり、この国にとっては変え難き…」
「えぇい!
そんな事は聞いておらぬ!
じゃあ、俺はそなたの一体何なのだ!?
寂しい夜に添い寝してくれる抱き枕か!?
酔った時に適当に口付けできる都合の良い男なのか!?」
「その言いようはあまりに酷くございますっ!!!
誰もそんな事言って無いではありませんか!」
「言ったも同然であろう!?
好きでも嫌いでも無いなど、昨夜同様、蛇の生殺しだ!!!」
「は、は、話になりませぬ!」
「こっちの台詞だ!!!」
俺たちは怒鳴り合い、肩で息をする。
「俺はな、エティーナ、知らんだろうが、モテるのだ!
今から他の姫のところに行く!
そうだ!
俺を受け入れてくれる愛らしい姫の元へな!!!」
「えぇえぇ、どうぞ、どうぞ、行けばよろしいではありませんか!?
私は止めは致しません!!!」
「エ、エ、エティーナのあほんだらぁぁぁぁ!!!」
俺は半泣きでエティーナの部屋を出ていった。
行く当てなど無かった。
愛らしい姫?
エティーナ以外思い付かなたかった。
でも、俺にもズタボロにされたプライドがあった。
キープ男になど、都合の良い男になど、なってやるものか!
だが、半泣きだった。
好きなのに…
こんなにも…
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