46 やっぱり軍師姫

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46 やっぱり軍師姫

相変わらず私は、いや、陛下と私は忙しい日々を送っていた。 その中のひと時を利用して、時間を作り、語り合ったり、たまにはデートしたりもした。 しかぁし! 恋愛にばかりうつつを抜かしていられないのであーる! 何てったって私は軍師姫! 戦の準備や政を怠ってはならないのである!!! というわけで、今日はかねてからやりたい事…というか、気に掛かっていた事があった。 それは、ズバリ、軍の編成、である。 軍の編成はもちろん、ベルゼン殿やラッセル殿が担っており、信用してない訳では無かったが、私にも何か力になれる事があるやもしれぬ。 それに、やはり口を出さなくては気が済まないのだ。 その日本城へ向かい、ベルゼン殿とラッセル殿を捕まえた。 「ベルゼン殿、ラッセル殿、今日は軍の視察に一緒に参りたいのですが、よろしいですか?」 「もちろんだ! 俺たちの仲ではないか!」 「騎猫隊や騎狼隊もベルアップしていて、中々壮観ですよ!」 ベルゼン殿とラッセル殿は口を揃えて言う。 「それは楽しみですわ。」 そして、城砦都市内の訓練所に向かった。 なるほど、騎猫隊も騎狼隊も一糸乱れぬ動きで統率が取れている。 騎猫隊と騎狼隊は、エドババーバ国の有名部隊になっていたのだ。 他国からも一目置かれている、と言う訳である。 「どうだ!? エティーナ殿! 文句のつけようがあるまい!?」 ベルゼン殿が言う。 「…そうですね。 騎猫隊と騎狼隊に関しては。」 「何か他に気になる点がありましたか?」 ラッセル殿が尋ねる。 「あちらは何をやっているのですか?」 「あぁ、あれは魔法部隊ですよ。 要するに魔法が使える兵を集めた部隊でして。 しかし、あまり戦では役に立っていませんな。」 ラッセル殿が答えた。 「どう言う編成にしているのですか?」 「えぇ、それは、火属性や水属性、土や風、雷などで分けていますが… 何か問題でも?」 「それはあまり賢い分け方ではございません。」 「はぁ…? と、申されますと?」 「まずは、魔法部隊は近距離、中距離、遠距離にて分けるべきかと思います。 そして、例えば火の隣には風を、水の隣には氷を、という風にその中で細かく配置するべきにございます。 近・中、遠に分かれた魔法部隊は近を前衛に、中を中衛に、遠を後衛に置く事で威力を発揮します。 試しにやってみましょう!」 私は言い、魔法部隊を編成しなおした。 すると、どうだろう? 小石を爆破するほどの威力しか無かった魔法部隊が、相乗効果もあり、大岩を吹き飛ばした。 「おぉ~! まさに、お見事! さすがは軍師姫でございますな!」 そうして、騎猫隊などと同じように、魔法部隊の育成が始まろうとしていた。
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