48 正妃候補パーティー

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48 正妃候補パーティー

皇帝陛下は武勲を立てて凱旋され、私は約束通りに正妃候補となることが決まった。 そして、その三日後エドバ城で、私の正妃候補パーティーが盛大に行われる事になったのだ。 私はもちろん、主役ななで、ふわふわっのピンクのドレスを身に纏い、髪を結い上げた。 エドバ城に馬車で着くと、そこにはベルベットの王家の馬車や、シャルナークの王家の馬車、エドババーバ国の貴族の馬車、そして、後宮の姫君たち馬車があり、壮観であった。 こんなにも大勢を招く必要があるのだろうか…? 私は不思議に思いながらも、エドバ城に入った。 庭園とそれに続くホールには、紫の薔薇が一面に飾られていた。 エドババーバの国花と、私の好きな紫をかけて作ったのだろう。 一目でそれがわかった。 そして、群青色の正装に身を包んだ皇帝陛下が現れた。 その美しさに人々は息を呑む。 群青色の正装は彼の瑠璃色の瞳を際立たせていた。 「エティーナ、こちらへ…」 「はい。」 私は一礼して皇帝陛下の一歩後ろに並んだ。 「皆様、今日はお集まりいただき誠に感謝する。 さて、今日お集まりいただいたのは、エティーナ=ローザンドラを正妃候補と正式にする為である。 彼女が正妃候補になるのは、俺が強く望んでいた事でもあり、快諾してくれたエティーナにまずは、感謝したい。」 皇帝陛下は言い、さらに、こう続けた。 「皆さんはもうすでに噂でご存知かもしれないが… 俺はエティーナを、エティーナだけを愛しています。 だから、この場で、後宮を解散する事を発表します…!」 騒めく後宮の姫君達と貴族達。 後宮の姫君はもちろんだが、自分の娘を後宮に嫁がせている貴族や王族もこれには衝撃だった。 もちろん、私も驚いていた。 「静かに…! 静かに! 後宮は解散するが、その後の姫君達への保証は万全を期す。 実家があるものは、実家へ戻る方向で検討し、実家が無い者についてはしかるべき馬車に話をつける。 なお、その後の姫君達の縁談の勧めを徹底する所存だ。 さらに、十分な慰謝料を払う。 勝手な判断だとは承知している。 だがな、姫君達よ。 俺の心はもうエティーナにしか無いのだ。 彼女を正妃にし、俺は彼女と共に人生を歩みたい。 どうか、わかってくれ… 1、2発くらいならば、平手打ちも覚悟の上だ。 思う存分俺を引っ叩いて帰っていくが良い。」 皇帝陛下はそう言って頭を深く下げた。 私も皇帝陛下に倣い頭を下げる。 すると、ダイヤモンドの後宮の姫、サラ様が前に出てきた。 「陛下、1発、姫君を代表して殴らせていただきますわ!」 「あぁ、良い。」 サラ様は大きく陛下を引っ叩いた。 「姫君達よ。 これで、心を収めて下さいませ。 残念ですが、陛下のお心はもう私たちにはありません。 後宮にしがみついていたとて、不憫なだけ。 ならば、私たちを存分に愛してくれる人を探しましょう? ありがとう、陛下。 素敵な日々を過ごさせていただきましたわ。 どうぞ、お幸せに。」 サラ様は言い、そして、姫君達は次から次へとエドバ城から出て行き始めた。 エドバ城の中には、私と陛下だけが残った。 「良かったのですか…?」 「あぁ… 俺はそなた以外は考えられぬしな。 これで良いのよ。」
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