49 甘々な夜を

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49 甘々な夜を

私たちは陛下の部屋のベッドにもつれ込んでいた。 もつれ込むという言い方をすれば、まぁ、少しいやらしいものだが… 陛下は私に口付けし続けるのだ。 私は唇を手で覆い、キス攻撃から逃げようとする。 「ダメだ。 唇は拒むことを許さぬ。 さぁ、手を退けて俺を受け入れるのだ…」 「ンッ…んん…!」 陛下のキスは止まらない。 唇を舌で舐められた時には眩暈がするかと思った。 「な、な、なりませぬ…! へ、へ、 陛下…!」 「ファウル…」 「え? ンッ…! また…!」 「ふふふ。 そなたは可愛い。 俺の名はファウルと言うのだ。 呼んでくれ… ファウル、と…」 陛下は私の首筋に頭を潜り込ませ、キスしながら言う。 「ダメ…っ… 首舐めないでぇぇ…」 「呼ぶんだ… エティーナ… もっと俺を求めてくれ…」 「ファ、ファ、あぁん…っ…! ファウルっっっ! やめてっ!!!」 「そうだ、もっと呼んでくれ。 そなたの愛らしい口から俺の名が呼ばれるのは、気分を昂らせる。」 「こ、こ、これ以上、昂ってもらっては困ります!!!」 「何故だ?」 「な、な、なぜっていけない事だからですわっ!」 「答えになっておらぬ。 もっと口を開け。 入りにくい。」 「エロ陛下っっっ!」 「だから、ファウルだ…」 「ファウル… ンッ… ファウル…っ…」 優しくも激しい口付けが私に降りてくる。 「なぁ、今どのくらい好きなのだ?」 「へ?」 「やはり、一割なのか…?」 ファウルは泣きそうな顔で私にそう聞いた。 「ふふふ。 それは… ご想像にお任せしますわ。」 「ずるいな、その返答は… では、口付けにて確かめる事にしよう…」 「そんな確か方ありませぬぅぅぅぅう…!!!」 そうして、ラブラブな夜は更けていくのだった。 ♦︎♦︎♦︎ 翌朝、私の唇は赤くなっていたし、首筋にはいくつものキスマークがついていた。 「おはよう、エティーナ…」 それでも、優しげに微笑むファウルを、少しは好きになったのだろうか? 私も微笑んで、「おはよう、ファウル…」と言った。 そうして、一日がまた始まっていく。
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