350人が本棚に入れています
本棚に追加
60 十倍返しだ!
sideファウル
その日政務室で内政について考えていると、イグナードの奴がやってきた。
「陛下?」
「なんだ?
今忙しい!」
俺は地図に目を落としながらそう言った。
「陛下、エティーナ様と勝負なさっているそうですね?」
「そうよ!
案ずるな!
俺は負けぬ!
なぁーにが、ラーメン店だ!
そのようなもの俺の策で木っ端微塵にしてくれるわ!」
「いえ、そんな事を案じているわけでは無くて…」
「えぇい!
では、なんだ!?
仕事の邪魔だ!」
そして、俺はイグナードの奴を追い払った。
うーむ、だいぶ未開の地があるな。
これは、開墾法を出したらどうだろうか?
つまり、こうだ。
開墾した土地は永遠にその者の所有する地となり、税金も半分となる。
うん!
これならば、一気に開拓した土地が増えるし、税収は増えるし、一石二鳥?いや、一石三鳥ではないか!!!
俺は開墾法を発令した。
その日から、農民達は各地を開墾し始めた。
そうして、莫大な税収が入ってきたのだった。
どうだ、エティーナ!?
内政では俺の方が一枚上手よ!
そんなおり、エティーナと廊下ですれ違った。
「あら、陛下、少し無理しすぎてやつれておるのではありませんか?」
「なにおぅ!?
そっちこそ、目の下にクマができておるぞ!
無理せずに降参すれば、許してやらんでも無いぞ!?」
「はっ!
そちらこそ、白旗を上げるのは今のうちですわよ!」
「なんだとぉ!?」
「なんですか!?」
俺たちの勝負はまだまだ続いていくようだった。
そして、エティーナは寿司屋と言うものを、港町エーラに作った。
これが、大・大・大ヒットで、マグロ、サーモン、エビ、イカ、タイ、ハマチ、なとなどは飛ぶように売れた。
彼女は俺の3倍の税収を叩き出した。
クッソォ…
やはり、軍師姫強し…
しかし、ここで負けてはられぬ!
俺は政務室に篭り、対策を考えた。
そうだ!
その手があるか!
俺が思いついたのは、狩猟法だった。
それまで、狩猟銃の所持は一揆を防ぐためにも貴族に限定していた。
それを、農民にも所持させて、狩りを奨励しよう、というものだった。
近年は財政が安定しているし、一揆の起こる気運は無い。
そして、この狩猟法は大当たりした。
一気に俺の税収はエティーナと同等に並んだのだ。
最初のコメントを投稿しよう!