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季節は巡り、クリスマスイブ。
ママが焼いてくれたチキンを食べたり、ケーキを食べたり、僕は温かな家族だんらんを過ごした。
そしてあっというまに夜の10時。22時という言い方もするらしい。最近学校で勉強したばかりだ。
年に一度の特別な日とはいえ、僕は夜更かしすることなくベッドに入った。だって、良い子で居なければサンタは願いを叶えてくれないから。
おじさんは今頃どうしてるかな。プレゼント、ちゃんと届くだろうか。
カーテンの隙間から見える窓の外には、小ぶりな雪の粒がヒラヒラと舞っている。僕はサンタが足を滑らせませんようにと祈り、目をつぶった。
ドスン、という鈍い物音で目が覚めた。枕元の時計に目をやると、全部の針がちょうど真上を指している。
つまり、日付変わって今日はクリスマス。
僕は慌ててベッドから飛び出し、リビングへと走った。
リビングの電気を付け、真っ先に暖炉を確認する。が、誰もいない。
なんだ……勘違いか……。肩を落として再び電気を消そうとした、その時だった。
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