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私はユーナが主人公の本を始め、レイティ・ジョナルド著の本を数冊手に取った。
「これらの本、購入します。そして、この本の作者に会うことは出来ますか?」
店番の婦人に詰め寄ると、あっさり彼女は頷いた。
「その本の作者はレイティ・ジョナルドだろう。彼女の本は自作でね。自ら売り込みにやって来るんだよ」
次、店にレイティ・ジョナルドがやってきた時に、ストロキバウス家を訪ねるように伝えてくれると婦人は約束してくれた。
私は屋敷に戻り、夕食後改めてユーナの物語を読んだ。
そこには私が目覚めた事に非常に喜び、そして落胆する両親の姿が描かれていた。
……会いたい。
パパとママに会いたい。
私は向こうの世界で死んでしまいこの世界に転生したのだと思い込んでいたから、パパやママ、友人にはもう会えないものだと諦めがついていた。
だけど違う!私の身体は生きている!
その身体を返して欲しい!!
……でもどうやって?
もう一度死にかけたら、元に戻るのだろうか。
いや、察するに向こうの世界でも同じように死にかけないと、入れ替わることが無いのだろう。下手をすれば、本当に死んでしまう。
私はその日からレイティ・ジョナルドが我が屋敷を訪ねてくるまで、毎日元の世界に戻りたいと泣いていた。
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