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辺りに漂う花の良い香りを確かめるようにゆっくりと肺の中に吸い込んでいった。
驚いた表情から一気に嬉しそうな明るい笑顔になる。
街を歩き、周りを見回し、何かを見つけるたび、その表情の変化を何度も繰り返して行く蓮乃。
(うわあ…!うわあ…!)
声には出せず、心の中で歓喜の声を上げた。
少し前。
倒れていた蓮乃は身体を起こし、立ち上がり、改めてもう一度、周りの光景を確認するようにして見渡す。
すると、見たことも来たこともまったくないはずの場所なのに、なぜだか見覚えがあった。
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