八方塞がり

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 テストが返ってきた。いつものより点数が良かった。各科目10点ほど高い。  母ちゃんに兄貴の友達に教わった、と伝えれば、お礼をしたいから連れてきなさい、と言われた。ついでに兄貴もたまには帰ってくるように言え、と圧をかけられる。  兄貴に電話を掛けた。 「もしもし? 兄貴と瑠衣君っていつ暇?」 『瑠衣の予定なんか知るか』 「母ちゃんが勉強見てくれたお礼したいんだって。それと兄貴にも帰って来いって言うように言われたから兄貴に連絡したんだけど」 『あー、分かった。瑠衣と相談して日にち決めるわ』  兄貴も母ちゃん怖いんだろうな。 「あとさ、瑠衣君で遊ぶのやめてあげてよ」 『は? 瑠衣で遊んでねーけど?』 「だって俺がクマ好きとか嘘教えただろ!」 『好きとは言ってねーよ。部屋に飾ってるって言っただけ』 「それのせいで俺、瑠衣君にテディベア好きのファンシー男子だと思われてるからね」 『うける』  感情のこもってない、うける、を貰う。瑠衣君ではなく、俺で遊んでいるのか? 否定できない。 「じゃー、日にち決まったら教えてね」 『いいけど、お前ももてなせよ』 「分かってるよ。瑠衣君にお礼をしなきゃいけないのは俺なんだし」  お礼として行った店は瑠衣君の好きな店ではなかったし。 『なるべく早めに連絡するわ』 「分かった」  通話を終えた。  答案が返ってきて、点数が良かった事とお礼を瑠衣君にメッセージした。
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