愛を見誤る悲劇

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愛を見誤る悲劇

daaf0e88-5b4e-492d-b453-5f1cd4f88211 境界魔術の実践は奇怪な儀式を行う事ではない。 境界魔術の実践は 「境界を意識した観点で物事を捉え、自分自身の場の独自性を保つ」 という日々の生活態度の中で行う生活態度にある。 霊的側面での空間認知力を培う事で 「日々の日常生活の中ですら自分自身の意識を境界魔術向けにチューンナップする」 事が可能だ。 具体的に言うならばーー 私が水を飲もうと思い、水の入ったコップを掴むとする。 こうした調和的現象は 「水とコップが混じり合わない」 「コップと手が混じり合わない」 からこそ起こる。 水とコップ、コップと手の間にはそれぞれ排斥力が働いていて、物質を形成する要素の軌道が混じり合う事なくそれぞれ独立している。 「そこに排除があるから調和している」 のである。 そうした排除ゆえの調和を、その因果関係を、ちゃんと理解し、噛み締めて味わわなければならない。 境界魔術師は 「愛の反対は無関心」 (【地球世界】出身の読者なら知る者の多い迷言) などとは言わない。 境界魔術師は 「愛とは調和だ」 「無関心・排除の中にも調和がある、愛がある」 「親和性がある空間内では無関心は独立性として許容される」 「親和性がない空間内では無関心は敵からの攻撃に対する許容となる」 という事実を理解している。 水とコップが排斥し合わずに混じり合い コップと手が排斥し合わずに混じり合う。 そこには「調和なき地獄の混沌」がある。 「調和のために優位でなければならない作用」 は、その場その場において異なる。 混じり合いと癒着と混沌が必要な場面では 混じり合いと癒着と混沌は調和を生み天国をも生み出す。 ただ我々人間の日常生活においては 「整合性無き混じり合い」より 「整合性有る排斥力」の方が 日々の調和と平穏さの維持に一役買ってくれている。 こうした「混じり合い」「排斥力」の作用が「整合性に適っているか否か」を日々分析してしまうのが境界魔術師の意識の使い方である。 そうした自分自身の意識の影響力を外部へ向けて展開するには 実際に他者へ向けて言葉や行動を起こす必要があるが… 「感情の琴線に触れる」 という事が必要になる。 注射器で内部の薬剤を体内に注入したり 注射器で血液を吸収したり 液体の動きは注射器内の圧力の向きによって左右される。 「他者の感情の琴線に触れる=注射針を差し込む」 「自分自身の感情エネルギーの圧力を上げて逆流させないように一方的に注ぎ込む」 「感情エネルギーに調和のイメージを乗せる」 こういった作業が他者の意識へ干渉する際に必要となる。 ただ、恨みや報復心などの負の感情エネルギーは 「廃棄物を大量に排出する劣悪エネルギー」 のようなもの。 多情多恨さをアドバンテージだと錯覚する外道魔術だと 恨みや報復心などの負の感情エネルギーは多用される。 境界魔術では 「秩序と無秩序の境界を適正化する現実創造術」 なので負の感情エネルギーは昇華され浄化されなければならない。 負の感情エネルギーは「不純物が混ざった劣悪エネルギー」。 その事実を理解・分析する事で負の要素を取り除く事ができる。 外道魔術や外道呪術へは 「『排斥力』には品位の格差がある」 という事実を無視する者達が堕ちる。 「宿主が寄生虫を排除する」 のと 「寄生虫が宿主を排除する」 のとでは全く違う。 「宿主が寄生虫を排除する」場合の排斥力は正当で 「寄生虫が宿主を排除する」場合の排斥力は不当だ。 外道魔術師はそうした品位格差を曖昧に捉えたり 或いは 「宿主が寄生虫を排除する」場合の排斥力は不当で 「寄生虫が宿主を排除する」場合の排斥力は正当だ と真逆の認識をする。 「被差別移民を詐称する侵略者」 の存在自体の悪。 「被害者を詐称する加害者」 の御都合主義の狂気。 そういった 「許容してはならないもの」 に対して甘い姿勢を取る事で 外道は外道である事実を自ら晒すのが常である。 「本来なら不死である筈の霊魂に本物の死が訪れる事故が多発している」 と悪名高き【地球世界】では… 「人類滅亡が起こると人類滅亡の百年前くらいまで遡ってやり直させる」 という事態を繰り返し それでいて何度繰り返しても人類滅亡が回避できず 無駄に何度でも滅亡を繰り返した。 【地球世界】の人類は支配者層・搾取者層の多くが狂っていた。 排除するべき悪と狂気を排除せず受け入れる外道だらけになっていた。 「調和なき地獄の混沌」が「愛」だと錯覚されるようになっていた。 そんな狂気の蔓延で人類は「存続価値」そのものを失っていた。 【地球世界】では境界魔術は広まらず境界魔術師も必要数に満たない人数しか輩出されなかった。 「『排斥力』には品位の格差がある」 ということ。 そうした道理を正しく理解できる者が必要数に満たなかった。 人類の便利な生活は惑星への負担を増やす。 便利な世界を維持したいなら人類は全体的に少子化を進めるべきだった。 「産み控えする必要はない、自国が人口過密なら他国へ移住し、在住国を乗っ取って繁殖すれば良い」 という略奪正当化思考の国々は 「人類の存続に必要なルールを守らない裏切り者」 だった。 そういった国々の民は 「自分達の存在自体が悪であること」 など何も気付かずに… 托卵雛よろしく他国に移住し 在住国を乗っ取る特殊軍事工作へと無自覚に加担していた。 あの狂った【世界】が何度やり直しをしても 何度も何度も人類滅亡を繰り返したのは必然だった。 弱者への無関心 宿主への無関心 それらは認知のブラックボックスを広げた結果に繋がった 「無知の罪」 だった。 排除するべきものを排除せず 抑圧するべきものを抑圧せず 寄生虫のような在り方の人々を量産した先に 「調和がある」 「愛がある」 などという欺瞞に耽る事で 人々の認知のブラックボックスは更に広がっていった…。 【地球世界】を退会して他の【世界】へと乗り換え参入した【地球世界】出身者達は自覚・自戒しなければならない。 自分自身の霊魂が 「現象の再現作用」 の媒介となる可能性…。 そのせいで 「人類滅亡が起きてしまう」 という現象が在住【世界】で再現されかねない危険があるのだ。 ゆえに【地球世界】出身者達は【地球世界】の価値観を この【金令世界】へと持ち込むに際して 充分に注意しなければならない。 愛の反対は憎しみであり 無関心の反対は関心である…。
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