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まあなあ。うちの生徒、ファイアーボールとかウィンドブリットとか、初級魔法だけは上手くなったんだけどな。ユノを除いて。
ただ、応用に関しては、あんまり。
魔法建築の基礎くらい、教えてやれればなあ。
正直、それどころじゃなかったし。
あん?
お馴染みの空き教室をコッソリ覗くと、
「あああ!ああああ!ミッドバーン先生!」
「名前で呼んで♡パパ♡」
空き教室で、アーサー・メルクリウスと、エリサミッドバーンが、騎乗位でやり腐っていた。
「こ、ここは、他校の教室で!あひゃああ♡」
「大丈夫よ?ここは、生徒数に対して、教室の数が全然釣り合ってないから♡パパ♡グラードも元気よ♡2人目も勿論♡」
あのおばさん、初産じゃなくて2人目だったよ。
「団体戦勝利おめでとう♡セレーナが勝って、パパとしても鼻が高いでしょう?♡ねー?♡お姉ちゃん凄かったわねえ?♡」
「え、エリサ♡エリサ♡」
「ああん♡凄い♡アーサー♡」
死ぬまでやってろ。お前等。
俺は、そっと空き教室から距離を取っていた。
有り得んだろう。あいつ等。
よくもまあ、アカデミーであんな真似。
でも、あそこで俺もフラさんと。
結婚前、ほとんど毎日あそこで、生徒ごっことか教員ごっことか。
ああん♡生徒の赤ちゃん♡妊娠しちゃう♡
ぐへへ♡先生♡フランチェスカ先生♡
ムクムク。
おっと危ない。
その時、
「あああああん!ダーリン!負けちゃったあああああ!」
アホのおっぱいボンバーがあった。
「ダァ♡慰めて♡私をママにしろ♡ふぎゃあああああ?!」
「お前、真面目な話、手を抜いたな?ルルコットにおんぶに抱っこだったな?」
「い、いいい、痛あああああい!びゃああああああ!」
「泣き真似すんな!試合に負けて泣いていいのは、心底試合に傾注した奴だけだ!」
「う、うえええええええん!」
あ、うっかり、本気で泣かせちゃったかな?
しまった。こいつ王族なもんで、負けるのに慣れてなかったか。
「あああああん!」
「ん!?おい!泣きながらおっぱい顔に押し付けんな!うばあああああ!」
生乳の、甘い匂いがした。
でもなあ、こいつ、アホだしなあ。
プシュー。ムラムラが、スタコラ去っていった。
まあ、有り体な話、総合力だろうなあ。
「魔力のランク考えろ。お前等、ほとんどカッパーじゃねえか。シルバーのお前以外カッパーだし。大半がシルバー以上の他学校の生徒に、カッパーの集団があれだけ善戦したんだ。ロクに練習もしてない魔法建築で、あれだけ出来れば大したもんだろう。あとは!お前が真面目にやれば、多分勝ってたろう!要するにお前が戦犯だ!王女は喧嘩しない?!勝ってから言え!」
「うっさい。確実に勝てる喧嘩しかしないのが私だ。基礎は完璧。図面引いたのルルコットだもん。外装の強度理論はともかく、壁は魔力が物言うでしょ?それよ。そこに確証持てなかったんだもん」
でも、それでも、
「やっぱ、負けるの悔しい」
ああそうか。負けるってのいうのは、生徒の成長過程に、必要なんだろうな。
「ただまあ、次だ。次頑張ればいいじゃねえか。幸い怪我も何にもしてないんだし、ってうおおおおい!何で制服を脱ぐ?!おっぱい押し付けるのやめえおおおおおおお!」
「ぎゅ~。魔力!吸引!」
「お前あれか?!俺から魔力を奪うタイプのモンスターか何かか?!パンツに手を伸ばすのやめろおおおおおお!」
「えええ?何か、向こうの生徒、ほとんど妊娠してたわよ?話聞いたら、あっちににもダーリンみたいなのがいたって話?案ずるより生むが易し。よ?」
「何がだあああああああ!さっさと服着ろ!簀巻きだ!」
そう言われて、マリルカは渋々服を着た。
何で渋々なんだよ。
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