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アーサーって男について
校長が、変な神と悪だくみする前のことだった。
ああ、顎痛え。
俺は、アリエールに置き去りにされた、控室から帰ろうとしていた。
ああでも、アリエール、入学直後から比べたら、結構発育いいんだよなあ。
ニャンニャンちゃんも見えたし。
金髪の、産毛生えてるニャンニャンちゃん。
まあ、その件については、完全にノーコメントな?
生徒のニャンニャンちゃん、見たの初めてだし。
あん?
変に、スッキリしたアーサーとバッタリ会っちゃった。
何だ?この野郎。
「ああ、エルネスト先生」
「いいよ。ジョナサンでいい。ただ」
俺のこいつへの認識。
女食いすぎの淫獣。
「俺も、アーサーって、呼んでいい?」
決闘場の外、噴火で滅んだ、フタエ帝国の旧首都イルランデールの廃墟群を、俺達は歩いていた。
「勿論ですよ!光栄すぎます!」
アーサーは、目をキラキラさせて、俺を見ていた。
「貴方のことは、とてもよく知っています!春の、ゼニスバーグ掣肘に始まり、ついで王宮のクーデター未遂事件も、その後の、西の大陸での災害への貢献、更に、9月には、王都にはびこる不穏を、一掃させたこともです!」
う、うおう。よく知ってんね?
「しかも、貴方には、明確なシンパシーを感じています!中央国家の王女を、恋人にしてしまったとか!奥様がいるにも関わらず!」
うるせえ馬鹿。一緒にすんな。
「あのさあ、だったら言うよ?お前、ルグノワールの教員と生徒、手当たり次第に手え出してない?」
副校長と3人の女教員、生徒を31人な?妊娠させたの。
「い、いや!それは、彼女達が襲ってきんです!」
最終的に、その気になって腰振ってたのおめえ。
生物的に有り得ないのよ。逆レイプ展開ってのは。
「あのさあ。別の学校の教員に言っていいか、解んないけど言うよ?お前の、職業的倫理って一体?」
その時、俺達、というか、アーサーに向けて放たれた、光線魔法を、アーサーはピンポイントで受け止めていた。
うちのタルカスみたいだ。その障壁の精度は。
「動かないでください!」
瞬間、アーサーは転移魔法で、上空に浮かんでいた。
うお!凄え!
空中浮遊魔法で浮いていたアーサーに、幾条もの光線魔法が襲った。
だが、アーサーは、指を空中で指しただけだった。
弾かれた光線は、近くの光線に当たり、更に光線が光線を弾き、それが、周囲の光線全てを弾いていた。
アーサーは、一瞬だけ反撃に転じた。
指から放たれた、1条の光線が、周囲に身を隠す、全ての敵を貫いていた。
光線魔法曲げんの?凄すぎだ。
アーサーは、物陰にいた敵の、腕を捻り上げていた。
「また君かい?リシェーラ」
え?この暗黒騎士っぽいの、女?
「くっ。殺せ!しかし!話が主の野望は!」
くっころ出たよ!何か!
「こうなったら仕方ない。君は、最後の暗黒騎士だ」
「そうだ!我が仲間は!全員貴様に孕まされて、貴様を子の父親として!ひっ、あっ♡んほおおおおおおお♡!」
んほおおおおお!つってる!敵の女なのに!
俺は、ぼんやり、淫獣の跳梁跋扈を観覧していた。
「もう♡もうやめて♡ん♡もう!もう凄いの来てるからああ♡!んはああああああああ♡!!」
ズタボロのヌメヌメにされたリシェーラが、お腹を押さえて去っていった。
ああ、あの人からママ臭したし。孕んじゃってるな。アーサーの子を。
「お見苦しいところを、お見せしちゃいましたね。彼女が、暗黒騎士リシェーラです」
「いや、そりゃあいいんだが、彼女が言ってた、主って?」
「ああ、聞こえちゃいましたか」
あんだけ叫んでりゃあ。
「彼女は、僕がずっと戦っていた、闇男爵麾下の、円卓の12人の暗黒騎士の1人、「烈風のリシェーラ」という騎士です」
闇男爵とな?!
しかも12人?!
最後の騎士って、12人全員、妊娠させたのかお前。
「実は、僕はずっと、王都で暗躍している、闇男爵と戦ってきたのです。中央大陸に潜む悪と、僕は」
ああね?ルグノワール校長が、見慣れたよって顔していた意味が解った。
ただ――。
闇男爵?!知らねえええええええええ!!
情報が洪水しすぎて、理解し切るのに、えらい時間がかかりそうだった。
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